感染不安で「さわれなくなった人」の厄介な現状 コロナ禍で物がさわれない「接触障害」の深刻度

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さらに、子どものいない結婚1年未満の30代夫婦からも、現状を嘆く声が届きました。

「もともと妻は少し潔癖症のところがありましたが、コロナのせいで極端になりました。外ではずっと使い捨てのビニール手袋をしていて、何かにふれるときも、その上にハンカチをあてているし、僕と話すときも必ず顔を横にそらしています。風呂の湯も、洗濯機の水も、お皿を洗うスポンジも、ぜんぶ夫婦バラバラにされて悲しい気持ちになりました。ウチの夫婦なんてまだ結婚1年で新婚みたいなものなのに」

どちらも妻からの話は聞いていないので、すべてを鵜呑みにすることはできないとしても、“接触障害”を思わせる言動があることは間違いなさそうです。

もともと人間心理には、「接触回数が増えるほど、その人に好感を抱きやすい」(ザイアンス効果)というものがありますが、これは裏を返せば「接触回数が減るほど、その人への好感は減り、“どちらでもいい人”になりやすい」ということ。これは互いに言えることですが、突然一方的に接触回数を減らされた側は、離婚が頭をよぎるほどのストレスにつながりやすいものです。

「接触」の捉え方を段階的に変えていく

では“接触障害”の自覚があるときは、どのように対処したらいいのでしょうか。正直なところ精神的な問題が大きいだけに絶対的な方法はないのですが、人間関係コンサルタントの観点から下記に3つの方法を挙げていきます。

「新型コロナウイルス」「人や物との接触」「感染」に対する捉え方(「こういうものだ」という認知)を“物凄く怖いもの”という現状から、“怖いもの”“少し怖いもの”と段階を追って徐々に変えていく。

不安や恐れにおける第1の対処法は、対象となる人や物の捉え方を見直すこと。まず不安や恐れの対象となっている人や物を「どういう存在として捉えているのか」をあらためて把握し、次に「小刻みな段階を踏みながら、少しずつ捉え方を変えていく」という計画的な方法があります。

アプローチの方法としては、このような「人や物の捉え方を変えることで、行動が変わる(不安や恐れが改善される)」というパターンが主流ですが、逆に下記のような「多少強引でも先に行動を変えることで、人や物の捉え方が変わる」というパターンのほうが合う人もいます。

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