コロナ禍に沈む会社と耐える会社の決定的な差 飲食店や農家はこの苦境にどう立ち向かうか

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三神:コロナの影響で職を失った人たちの求職マッチングは、コロナ前と変わっていますか。

藪ノ:コロナ前は、居酒屋から居酒屋、イタリアンレストランからイタリアンレストランというように、同じ業態で転職をしたほうがキャリアアップ、給料アップにもなる可能性があったため、私たちはそういった転職を支援してきました。

今は居酒屋の求人がほとんどない状況なので、居酒屋に勤務していた人もファストフード業態やテイクアウト業態で職を得るような、業態を越えた転職がこれから始まっていくと考えています。

経済ジャーナリストの三神万里子氏(写真:NHK大阪拠点放送局)

三神:業種をまたがるケースの求職マッチングは難しそうだという印象があります。

藪ノ:そこは慎重に、今まで以上にヒアリングをきめ細かくして、ミスマッチを防いでいかなければと考えています。

三神:クックビズは、今後、飲食店向けにコンサルティングを行うことも考えているそうですね。

人材サービスに絞っていても商売は成り立たない

藪ノ:今までは、飲食業界への人材紹介を生業にしてきましたが、現状は人材サービスに絞っていても商売は成り立ちません。飲食業界の新たな困りごとを解決するビジネスを考えています。

当面の飲食業界の課題は、お客様が不安がって来店しないことです。その店舗の衛生管理を高めるうえで必要な施策、手法を伝えていきます。

三神:感染症対策のノウハウを、働く側も強化していかなければなりません。

藪ノ:やはり感染予防を徹底しているお店でないと、従業員側も「不安で働きたくない」というような声も聞きます。エンドユーザーにとっていいお店というのは、従業員にとってもいいお店、業態であると私は考えています。

クックビズは飲食店の困りごとを解決するビジネスを模索する(写真:NHK大阪拠点放送局)

例えば席の間隔を空けるなどの対策をしていくほど、売り上げが100%元に戻ることはありえません。店舗以外での売り上げを、販売チャネルとして持つ必要があります。具体的には、テイクアウトやデリバリー、キラーコンテンツがある場合は、通販や宅配もできます。ITのノウハウも必要になってくるので、そこに人材のニーズも出てくると思いますし、飲食店がデジタル化を進めていくうえでのデジタルトランスフォーメーション(DX)への必要な支援がビジネスチャンスになると考えています。

三神:居酒屋のようなアルコール業態の企業にいま必要な対策とは?

藪ノ:居酒屋に加えて、たとえばカフェを経営するなど業態をマルチに運営していくことが必要になってきそうです。カフェ業態で求人を出して、たとえば居酒屋業態も含めて人員を調整するなど、うまくやっている会社もあります。

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