コロナ禍に沈む会社と耐える会社の決定的な差

飲食店や農家はこの苦境にどう立ち向かうか

レストランに絞っている生産者は相当苦労されていますが、近所の直売所の行動によって売り上げが変わってきます。閉めている直売所もあれば、開けてお客さんが増えている直売所もあり、売り上げが上がる農家さんもいれば下がっている農家さんもいて、混乱中です。小さなことに一喜一憂するのではなく、農家さんからのいろんなご相談に、できるだけ柔軟に対応していくスタンスを続けています。

三神:急激にデリバリー需要が増えるということも起きています。農家は、こうした急激な需要の変化には対応しにくいですよね。

坂ノ途中の小野邦彦社長(写真:NHK大阪拠点放送局)

小野:急にお客さんを増やすことはできないため、生産者のほうで出荷量が上がっていくのに合わせて、お客さんを増やしていく工夫をしています。例えば今、申し込んでも、1回目のお届け日は2週間先、3週間先にするなどしています。

狩野:ほかにビジネス面で変わったことは?

小野:レストラン、ホテル、百貨店など法人向けの卸は減っている一方で、通販のお客さんが増えています。弊社の事業構造がダイナミックに変わりました。

三神:生産者に対しては、今どんな助言をしていますか。

小野:作付け計画を立てるときは、ある程度分散した栽培が強く、リスクヘッジになる、という話をしています。弊社は、ある程度約束ができるので、お客さんが減った経験がありません。

今年の実績をベースに来年の相談をしておけば、そんなに大きく外さないのでわれわれの会社もある程度、当てにしてもらえたらという話をしています。

狩野:この状況下でも、お客さんが減っていない?

ベンチャーのような浮き沈みがない

小野:そうですね。皆さんとできるだけ長いお付き合いをしていきたいと考えているため、ベンチャーのような浮き沈みがありません。ずっと、じわじわと伸びているというところです。

三神:野菜の場合、種を植えてから収穫まで数カ月単位のスパンになります。今回のように商流が突然止まったとき、急ピッチの意思決定が強いられます。予測が立てられないけれど、中長期で計画をしなければいけないというギャップが大きいと思いますが、どのようにマネジメントをしていますか。

小野:それは非常に難しいです。ただ、われわれにとって危機対応は今回が初めてのことではありません。

三神:もともと農業は天候リスクとの闘いが避けられませんからね。

小野:今回は難易度が高いですが、何度となく乗り切ってきたので過去の経験を生かしていきます。

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