クルマ無し!「レクサス」新ショールーム戦略 最新テクノロジーもアニメもラグジュアリーに

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MITメディアラボからフォアグラの綿飴づくりまで

:インターセクトの特徴として、多くのイベントを開催していることが挙げられます。ただ、ハコをつくるだけでなく、場自体をデザインしていかなければならない。そんな中でイベントにかなりエッジがたってるようにお見受けします。

インターセクトのイベントに登場したMIT副所長の石井裕教授(中央)。「タンジブル」という考え方の重要性などをプレゼンした

久保:マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの副所長・石井裕教授のイベントはとても記憶に残りました。石井教授が考える「タンジブル(実態がある、直接触れることができる情報)」についてのプレゼンに加え、石井さんの教え子であるシャオシャオというアーティストがピアノの鍵盤に映しだされた映像とともに連弾するものでした。

高田:まさにアートとサイエンスの融合を体現するイベントでした。これはレクサスのコンセプトと極めて近いものがあります。クルマだって、それ自体はサイエンティフィックなものである一方、本来的にはエモーショナルでアーティスティックなものでもある。とてもシンパシーを感じるイベントでしたね。

久保:インターセクトの一階のカフェのベーカリーを監修したユニテの代表の浅本充さんと、編集者の菅付雅信さんによる「進化する食とライフスタイル」をテーマにしたワークショップも印象に残りました。同じ食をテーマにしたイベントではスープストックを経営するスマイルズ代表の遠山正道さんと二階のダイニングフードをプロデュースしていただいている田島大地さんによるワークショップも面白かった。こちらは、フォアグラで綿飴をつくったり、驚きがいっぱいでした(笑)。

:クルマの会社が開催しているとは思えないほど、バラエティに富んでますね(笑)。

久保:インターセクトに足をはこんでもらうきっかけは、なんでもいいと思っています。テクノロジーでも、アートでも、フードでも、コーヒーでも。いろいろ入口を用意して都市や人、文化とつながらなければいけない。そのさまざまな興味の先に、レクサスというブランドを感じてもらえればいいと思う。個人的には、日本といえばやっぱりマンガとアニメなので、レクサスらしいひとひねりを入れたイベントを開いてみたいですね。

:まさに久保さんはインターセクトの”編集者”的役割を果たしているんですね。

高田:登壇者や来場していただいた方の感性をわれわれが受信し、さまざまな形で発信していく。ここで出会った方と一緒にイベントをしたり、新しいビジネスが生まれたり。直接、われわれと関わらなくても、出会った方同士が新しいプロジェクトを発足するなんてこともあるかもしれない。マーケティングの神様と呼ばれているフィリップ・コトラーさんもインターセクトにご来場いただいて、とても気に入ってくれたんですよ。ここがなければコトラーさんと話す機会なんて生涯なかったかもしれません。まさに、インターセクトという名のとおり、人と文化が交差しているのです。

:空間は常にベータ版で進化し続けるわけですね。

高田:そうですね。価値を創造し、共有していく場です。答えはないかもしれませんが、一緒に見つけて行く場所でありたいと思っています。いわばリアルSNSみたいな感じでしょうか。

久保:まさに、インターセクトがそういうプラットフォームになれば嬉しいですね。

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