星のや京都に見る、進化する日本の宿 星野リゾート31歳GMが考えたら、こうなった!

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 東京だけでも、星の数ほどあるホテル。どれも大差ないと思ったら、大間違い。一歩足を踏み入れれば、そのホテルにしかない、魅惑のストーリーが展開している。
レジャーとしてのホテルを知れば、より日常が楽しくなるはず――。この連載では、注目のホテルの総支配人を訪ね歩き、知られざるホテルの物語を発掘していく。
「水辺の私邸」のコンセプトで、水路がアクセントになっている
 京都市西京区嵐山。桂川のほとりに「星のや京都」は位置する。星野リゾートが和のリゾートとして展開する高級旅館ブランド「星のや」の、国内2軒目だ。宿泊客は渡月橋から小舟で桂川を上って宿の入り口にたどり着く。「水辺の私邸」がコンセプトで、軽井沢、竹富島と比べても客室数は少なく、別荘地というより川辺の民家のようだ。
 昨年の台風18号で桂川が氾濫したこともあり休業していたが、今年2月1日にリニューアルして再開業した。観光客も多い京都地域で、「日本を休む」がコンセプトの星のやがどう受け入れられているのか。その思想について、31歳の若きエリート、酒井俊之総支配人に語ってもらった。

秘蔵の「蔵」の使い方

――今年2月に星のや京都がリニューアルして再開業しました。今回、星のやになる前に蔵として使っていた場所を開放しましたね。

はい。2009年に開業する際にも、大規模な工事を行いましたが、そのときには、この蔵はあえて手をつけずに残しておいたのです。

星野(佳路・星野リゾート社長)のアイデアですが、実際に宿の運営を始めますと、お客様の要望が出て参ります。それがある程度見えてきた時点で、要望に合うものを作ることにしていました。

――蔵の楽しみ方とは?

パブリックで自由にお使いいただける場所で、コンセプトは「日本の手仕事に触れる場所」。建物自体も職人さんの手仕事ですが、お出しする飲み物なども日本のものにこだわって取りそろえました。

昼間はサロンとして、コーヒーを1杯ずつハンドドリップでお入れして、観光のご案内や滞在中のアレンジができる時間にしています。夜はバーにレイアウトを変え、雰囲気も変わります。

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