リッツ進出で熱さ増す「京都ホテル戦争」 来年にはフォーシーズンズも参戦

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「ザ・リッツ・カールトン京都」は鴨川のほとりに位置する(撮影:梅谷秀司)

日本を代表する国際的観光地・京都に2月7日、「ザ・リッツ・カールトン京都」(京都市中京区)が開業する。外資系ラグジュアリーの“雄”の進出で、大阪を含む関西地域のホテル競争に拍車がかかりそうだ。

「ザ・リッツ・カールトン」は世界有数のホテルチェーン、マリオットホテルグループ傘下の最高級ブランド。日本では1997年に大阪を開業して以来、東京、沖縄に展開しており、京都が4番目のホテルとなる。

リッツ京都は、周辺環境を意識した外観デザインの採用など、京都が誇る建築様式や文化遺産との調和を目指している。たとえば、ホテルの顔となるパブリックエリアを、源氏物語の主人公である光源氏の理想の邸宅「六条院」と見立ててアート作品を配置するなど、和のテイストを重視した作りとなっている。

鴨川沿いの景観規制に配慮

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「和」を基調にした外観

これまで関西圏における外資系高級ホテルの進出は、東京に比較すると限られていた。とりわけ京都では、歴史的な町並みを保護するため、厳しい景観規制があり、新規参入が難しい面があった。また、「国際水準のホテルが出るにふさわしい、よい立地の出物が少ない」(業界関係者)という事情もあった。

そのため、市街地では客室数の多いホテルを建築することができず、行楽シーズンともなると観光客は大阪や奈良のホテルに泊まって京都にやってくることが多い。つまり、まだまだ客室需要は大きいのだ。

景観規制による高さ制限もあって、リッツ京都も建物は地上5階、地下2階で部屋数も134室と、大阪や東京のリッツと比べると小ぶりとなる。ただ、立地は抜群の強みを誇る。

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