リッツ進出で熱さ増す「京都ホテル戦争」 来年にはフォーシーズンズも参戦

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国内外の富裕層をターゲットに、強みの「立地」、客室のサイズや高付加価値を感じさせる付帯施設という「プロダクト」、これにリッツとして培ってきた定評ある「サービス」を加えることで、「高い単価で(客室を)売っていくことが可能ではないか」とリッツ京都の田中雄司・総支配人は自信をのぞかせる。

次はフォーシーズンズ

団塊世代などシニア層の旅行需要や、関西国際空港発着の格安航空会社(LCC)の増便、円安による外国人の日本旅行需要の押し上げなどで、外資系ホテルの関西、京都進出に今、風が吹いていることは確かだ。

お隣の大阪では、「日本で最も高い商業施設」を誇る「あべのハルカス」の最上部に、同じマリオット系の「大阪マリオット都ホテル」が3月7日にオープン予定。テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」には今夏、人気映画「ハリー・ポッター」の新アトラクションも登場する。

京都では、昨年の台風被害もあって休業していた「星のや京都」が、リッツに先駆けて2月1日に再開業を果たす。さらに2015年ごろには、同じく外資系ラグジュアリーホテルである「フォーシーズンズホテル」の京都進出も控える。

17年前に開業したリッツ大阪は、日本における外資系ラグジュアリーホテルの代名詞的な存在で、関西のリピート客も多い。昨年はメニューの誤表示が発覚したが、客室稼働に深刻なダメージは出ていないようだ。

「134室という部屋数は、今までの経験からすると、サービスを充実させるには一番よい大きさ。クレド(企業信条)にも謳っている、五感を刺激する仕掛けをしていきたい」(田中総支配人)。大観光地の京都で、国内のホテル、旅館も巻き込んだ内外の富裕層を取り込む戦いが激しさを増していきそうだ。

水落 隆博 東洋経済 記者

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みずおち たかひろ / Takahiro Mizuochi

地銀、ノンバンク、リース業界などを担当

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山川 清弘 東洋経済『株式ウイークリー』編集長兼「会社四季報オンライン」副編集長

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やまかわ きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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