リッツ進出で熱さ増す「京都ホテル戦争」 来年にはフォーシーズンズも参戦
鴨川ほとりの敷地は、京都の発展に貢献した豪商、角倉了以が徳川家康から下賜された由緒ある土地。江戸時代には周辺は公家や宮屋敷が立ち並んでいた場所であり、東山三十六峰を一望する、京都でも風光明媚な地として知られてきた。
この場所では元々、藤田観光が「ホテルフジタ京都」を営業していたが、2006年に積水ハウスが土地、建物を取得。その後、2011年にはホテルフジタ京都としての営業が終了した。今般、事業主体である積水ハウスから運営を任されたことで、リッツの京都進出が決まった。
市営地下鉄「京都市役所前駅」からは徒歩約3分で、祇園や河原町、先斗町にも近い。京都が誇る豊富な世界遺産への観光だけでなく、ビジネスにおいても利便性が高く、都市型リゾートとしての条件を備えている。
広い客室をアピール
ホテルという商品の核となる客室の広さもアピールポイントだ。全134室の平均面積は50平方メートルと国内最高水準。17室のスイートルームの中でも最高級タイプの「ザ・リッツ・カールトン・スイート」は212平方メートルと、京都では屈指のサイズで、宿泊料金は1泊100万円以上になるという。
客室は半分以上が鴨川に臨む部屋となっており、川のせせらぎや山の眺望を楽しむことができる。東山を借景として月見台をしつらえた庭園を備えたスイートルームなど、ゲストルームは3タイプ、スイートでは9タイプの部屋を用意している。
付帯施設は日本食、イタリアンレストランやバー、宴会場、スパなど。イタリアンレストランには、明治期の関西財界を代表する実業家、藤田傳三郎の別邸「夷川(えびすがわ)邸」を移築し、プライベートルームとして活用している。