建築専攻から、ホテル業に飛び込んだ理由
――従業員は何人ぐらいいらっしゃるのですか。
今は全部で50人です。25部屋ですから、部屋に対してはかなり多い。スタッフとお客様が接する時間を増やすように心掛けています。
――総支配人もお若いと聞きましたが……
31歳でございます。
――新卒から星野リゾートですか?
そうです。全国の施設を回りまして、2年目から「星のや」の開発を経験して、京都の開業プロジェクトを担当しました。
もともと私は学生時代に建築を学んでいて、図面が読めたものですから。開業のときに京都に来てずっとサービスをして、2年前に総支配人に着任しました。
――バックグランドが違う中で、どういうふうに「おもてなし」の精神を?
建築を学びながら、日本もハードを作る時代から、これからは少しずつそれを使いこなすほうにフォーカスされるだろうと思っていました。
私も長野県出身ですが、日本の地方はポテンシャルがあり、優秀な人がいるのに、仕組みが悪くて活躍できない。でも、それはいつか変わる時代が来ると思ったのです。そのときに出会ったのが星野リゾートという会社です。
――長野の会社ですからね。理系の学問は人よりモノが相手ですが、接客で苦労はなかったですか。
やはりありました。ただ、私は元来、人に興味がありまして、お客様もそうですし、スタッフにも興味があります。スタッフが輝けばよいサービスをしますし、お客様に気がつく力を伸ばすとか、引き出すことが大切だと思います。
私の今の仕事は、従業員の満足度を上げて、不必要な従業員のストレスをなくすことです。いいストレスと向き合える環境を整備することに力を入れています。
――それは共感できます。ストレスがまったくなければいいわけではないですし。
はい、ストレスは必要です。ただし適切なストレスですね。
世の中っていらないストレスが多いですよね。たとえば、あの人と合わないのに同じ部署に入れられたりとか(笑)。そういうものはこちらで解決して、いい仕事をしてほしいと思っています。
(撮影:梅谷秀司)
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