クルマ無し!「レクサス」新ショールーム戦略 最新テクノロジーもアニメもラグジュアリーに

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日本発のラグジュアリー構築にチャレンジする2人

先進国を中心に、ラグジュアリーブランドのマーケティングが変化しはじめているという。トラディショナルなステータスのみを強調するスタンスでは消費者の共感を得ることが難しくなってきているからだ。ソーシャルメディアが普及した今、ラグジュアリーブランドと生活者の関係性は驚くほど変化している。

たとえば、バーバリーはブランドの価値の源泉ともいえるトレンチコートをウエブでカスタマイズできるようにしてしまった。伝統やデザイナーのクリエイティビティがブランドの根幹の価値という発想を覆し、消費者との「共創」によって商品を生み出すこの試みに驚いた業界関係者は多いという。サステナブル時代、ソーシャル時代にラグジュアリーブランドはどういう立ち振る舞いをすべきかはマーケティング上の大きな課題だ。

もちろん、レクサスも例外ではない。世界的にラグジュアリーの潮流が変わりつつある中、「クルマを売るのではなく、ブランドを売る」という今まで日本の自動車メーカーが体験したことのないプロジェクトをこの二人が属するチームが推進している。

そのマーケティング活動の象徴が、2013年8月に東京南青山にオープンした「INTERSECT BY LEXUS(インターセクト バイ レクサス)」という情報発信拠点だ。まず、気付くのはショールーム的な機能を有しているにも関わらず、クルマの展示が最小限に抑えられているところ。エントランスで最初に目に入るのはノルウェー発のコーヒーバー「FUGLEN(フグレン)」とコラボしたカフェのカウンター。また、ここでは最新テクノロジーや食をテーマに様々なイベントが開催され、東京という都市と文化とクルマが交差する拠点を目指している。

インターセクトの立ち上げから企画に参加し、現在運営を担当する久保克典氏とその上司であるレクサスブランドマネジメント部高田敦史氏に話を聞いた。

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