安倍政権の危機管理があまりにも脆弱すぎる訳 新型コロナウイルス感染対策で見えた根本弱点

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2. 大手メディアを政府の広報に変えてしまった

前述のように、安倍政権の足跡の大きな1つがこの大手メディアの掌握である。安倍首相は、大手メディアの社長や記者、作家などとたびたび会食をしているが、いかにメディアの重要性を認識しているかを物語っていると言っていいだろう。

安倍政権は、大手芸能事務所に対しても“特別な配慮”をしてきたが、こうした一連の流れは大手広告代理店などの助言を得て進めてきたものだろう。

問題は、世界的なパンデミックのような緊急事態にはまったく役に立たないということだ。

問題は日本経済の行方

今後の感染爆発の状況次第だが、緊張感をもって世界はリスクに対峙しなければならない。しかし、現在の安倍政権にはその緊張感が薄いようにしか見えない。緊急事態宣言などを織り込んだ特別措置法を制定し、そこからさまざまな対応をしていくというのんきなスケジュールを提示している。

上の画像をクリックすると、「コロナショック」が波及する経済・社会・政治の動きを多面的にリポートした記事の一覧にジャンプします

いずれにしても、新型コロナウイルスはいつか収束し、世間は落ち着くことになるのかもしれないが、問題は日本経済の行方である。ただでさえ消費税増税で疲弊した経済に対して、唯一の望みであった東京五輪=観光立国というシナリオが崩壊しつつある現在、日本経済は持つのかという懸念が日々高まっている。

ほとんどの業界で大きなダメージが予想されており、企業の資金繰りなどを考えると6月以降あたりから、企業倒産件数がすさまじい勢いで上昇するかもしれない。リーマンショックや東日本大震災に匹敵する、もしくはそれを上回るダメージを日本経済に与える可能性がある。

古今東西、国家が行き詰まるとすれば、それは愚かな為政者(政府)による自滅である場合が多い。

岩崎 博充 経済ジャーナリスト

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いわさき ひろみつ / Hiromitsu Iwasaki

雑誌編集者等を経て1982年に独立し、経済、金融などのジャンルに特化したフリーのライター集団「ライトルーム」を設立。雑誌、新聞、単行本などで執筆活動を行うほか、テレビ、ラジオ等のコメンテーターとしても活動している。『老後破綻 改訂版』(廣済堂出版)、『日本人が知らなかったリスクマネー入門』(翔泳社)、『「老後」プアから身をかわす 50歳でも間に合う女の老後サバイバルマネープラン! 』(主婦の友インフォス情報社)など著書多数。
 

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