安倍政権の危機管理があまりにも脆弱すぎる訳 新型コロナウイルス感染対策で見えた根本弱点

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そもそも今回の、新型コロナウイルスに関する安倍政権の対応では4つの大きな誤りがあった。簡単に紹介すると――

① リーダー不在

クルーズ船のダイヤモンド・プリンセス号での対応でもわかるように、現在の政権は危機管理のなさが際立っている。その背景には、行政の長である安倍晋三首相のリーダーシップのなさと危機感のなさがある。

国会での対応や記者会見などを見ていても、首相の口癖である「私の責任で」「私がリーダーシップを取って」といった発言とは異なり、感染症対策専門家会議に出てもわずか10分足らず出席して「やってる感」を演出しているにすぎない。メディア用のポーズをとって、その後2~3時間ものパーティーに出ていた経緯がある。

そもそも専門家会議を開催したのは、支持率が急落した2月16日になってからだ。中国で武漢が事実上閉鎖されたのは1月23日。中国での感染症拡大が表面化してから1カ月以上も経過してからだ。

クルーズ船のような密室に3700人もの人員を隔離した決定プロセスの説明がなかったし、最終的に誰がその判断を下したのかも見えてこない。

さらに、540人もの感染者が出てきた段階で、陰性かどうかのPCR検査を1回だけ実施して、乗員、乗客を開放。しかも公共の交通機関を使わせて自宅に帰すなど、危機管理意識が低すぎると言われても仕方がないだろう。

外国メディアが批判するように、日本は想定外の異常事態が起きても「普段と同じ対応を取りたがる」傾向が強い。これは、強力なリーダーシップを発揮できる人材がいないからだ。日本の「画一的な教育制度」の弊害であり、「出る杭は打つ」ことを許す社会的な認識が関係していると言える。

北海道は2月25日時点で940人の感染者がいた?

②問題や被害を矮小化しようとする?

安倍政権の体質と言っていいかもしれないが、政権にとって都合の悪いことは過少に、都合のいいものは過大に見せようとする傾向がある。新型コロナウイルスの患者数も過少に見せようとする傾向がある。

例えば、すでに北海道では2月25日の段階で940人のキャリア(感染者)がいると推定されていると、政府の専門家会議のメンバーがコメントしている。1000人近い感染者がいると推測されながらも、政府はまだ感染者数を少なく見せようとしているのか。それは東京五輪を予定どおり開きたいからなのかと邪推してしまう。

一方の中国は、2月29日に発表した2月のPMI(製造業購買担当者景気指数)で、35.7という衝撃の数字を発表しており、以前なら考えられないような数字を堂々と発表してきている。より正確な数字を提示することが、最終的にはベストな選択であり、国民および世界に中国経済の現状を正確に伝えようとしている。これも危機管理の姿勢としては極めて大切と言っていい。

正確な数字を可能な限り迅速に把握する。そのうえで正しい情報を世界に発信する。それが本来の優れた政権の姿勢と言っていいだろう。

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