「共働き」でも上手に中学受験を乗り越える策 春のスタートダッシュをどうかければいいか
首都圏の私立中学校受験者数は年々増加している。森上教育研究所のデータによれば2015年から受験者数は増加の一途をたどり、2019年、1都3県における私立中学校で、多くの本命校がひしめく2月1日午前の受験者数は、3万9759人だった。秋の大手塾の模擬試験受験者数を鑑みると、2020年の受験者数はさらに増加したと見られている。
過熱する中学校受験で第一志望の学校に合格するのは、並大抵のことではなさそうだが、受験で親が子にできることは何だろうか。共働き家庭での対策を軸に、専門家に話を聞く。
2月は新受験生がスタート、入塾早々躓くことも…
2月は首都圏の中学受験本番があると同時に、これから中学受験を目指す子どもにとっては新たな学年の始まりでもある。中学受験業界では、小学校3年生の2月から通塾を始めるのがスタンダードとなっている。
ところが親の中学受験に対する知識や心構えが乏しいと、入塾テストの段階でつまずいてしまう子どもも多い。入塾テストは学校のテストとは大きく異なる。国語で2500字程度の長文が出題されたり、算数で学校では習わないような応用問題が出題されたりと、学校のテストでつねに高得点を上げている子どもでも、手ごわく感じるはずだ。そもそも40分程度の制限時間で、大量の問題を解くことに慣れていない子どもも多いだろう。
『中学受験は親が9割』『共働きだからできる 中学受験必勝法!』などを著書に持つ西村則康氏は次のように言う。
「多くの塾で入塾テストの点数に応じてクラス分けをするのですが、ここで上位クラスに入ったほうが『お得』です。どこの塾でも、力量のある先生は上位クラスを担当することが多いからです」(西村氏)
サピックスなどのハイレベルな大手塾で上位クラスに入るには、入塾テスト用の対策が必要だ。つまり中学受験に意欲的な親は、少なくとも数カ月前から子どもに入塾のための準備をさせているのである。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら