「共働き」でも上手に中学受験を乗り越える策 春のスタートダッシュをどうかければいいか

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ではどのように家庭教師を選べばよいのだろうか。西村氏曰(いわ)く、いくつもの派遣会社に問い合わせて体験をしてみること。そして授業には必ず親が同席することだという。

「質のいい家庭教師の授業は、親が聞いても興味深いもの。そして、子どもの『わかった!』という表情の輝きも違うはずです。いい家庭教師を頼んだらぜひ実行してほしいのは、可能な限り家庭教師の授業に同席することです。プロの教え方やマネジメント方法を吸収して、お子さんのサポートに活用しましょう」(西村氏)

家庭教師は短期で活用することも可能

アウトソーシングするにしても任せきりにするのではなく、プロのノウハウを親も吸収して、無駄な試行錯誤を省く方法がいいようだ。

ちなみにプロの家庭教師の相場は1時間1万円から。塾の出費とあわせるとかなりの金額になるが、もしも塾や目標校のレベルにどうしても届かないというのであれば、背に腹は代えられない。費用対効果を考えながら頼ってみるといいだろう。例えば塾の学習が軌道に乗るまでや、受験間際の追い込み時など、期間を区切って活用することも可能だ。

「短期で家庭教師を引き受けることを嫌がる派遣元や家庭教師も多いですが、優秀な家庭教師ほど期間限定のニーズにも対応できます。なぜならプロの家庭教師は中期目標をどこに設定すればよいのか、わかっているからです。とはいえ期間限定のつもりでも、わが子にフィットした家庭教師に出会ったご家庭は、ほとんどがその先生を手放さないですね」(西村氏)

塾の新学年が始まってまだ1カ月。もしも入塾テストが悪かったとしても、悲観することはない。

「入塾当初のお子さんの成績が振るわない原因は大きく分けて2つ。計算が苦手とか漢字を知らないとか、受験勉強を始めるにあたっての基礎学力が到達していない場合。もう1つは、そういう訓練はされていても『学習は人から強制されて嫌々やるものだ』と思い込んでいる場合です」(西村氏)

わが子がどのどちらのタイプかを判断し、まずは中期目標を立てることが先決だ。目安は5月。連休明けのテスト結果を見て、次の方策を練るといいだろう。

蜂谷 智子 ライター・編集者

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はちや ともこ / Tomoko Hachiya

東京都出身。上智大学大学院文学研究科博士前期課程修了。語学教材の専門出版社を経て2014年よりフリーランスのライター・編集者として活動。住宅・教育分野の執筆多数。1児の母。Facebookはこちら

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