さて、問題は返済期間が終わったときです。3つの特徴の結果、金利が上昇した際には返済期間満了時も元金が(それも大量に)残っている可能性があることがわかるでしょうか。返済期間の延長は認められていませんので、残った残債は、退職金などで一括で払うことになるでしょう。払えなければ破綻の道をたどる可能性もあります(参考:『住宅ローン「滞納後」にたどる恐ろしい道のり』)。
こんなに払ったのに……と思っても、気づかなければ後の祭りです。定期的に送られてくる償還予定表を見て、利息負担が当初の予定より増えてきていたら要注意。長くは続けられない可能性も念頭に置いて対策を検討することが大事です。
「借りすぎリスク」に注意
金利変動リスクは確かに怖いのですが、借入額が少なかったり返済期間が短ければ、低金利のメリットを享受してリスクをコントロールすることも可能です。すでに借りている人で心配になった人は、もしものときに備えて貯蓄を増やすことが最善です。ローンの借り換えや条件変更、繰り上げ返済資金に充てる軍資金づくりが重要です。
そして、これから変動金利型でローンを組む人に警鐘を鳴らしたいのは「借りすぎリスク」です。変動金利型を利用した人が、高嶺の花の物件に手を出して、身の丈に合わない額の住宅ローンを組むケースが散見されているからです。
どういうことかというと、住宅ローンの年間返済額は年収によって一般に上限額があります。年収400万円の人であれば140万円(=400万円×35%)までを上限としてさまざまなローンを借りられるのが通常です。住宅ローンの元利合計がその上限に収まる範囲で銀行などから借りられるわけなので、金利が低いほどたくさん借りられる仕組みです。
奨学金やオートローンなども加味して、年収の30%までの年収負担率で住宅ローンを借りる場合を見てみましょう。年収800万円の人が適用金利0.5%(変動金利型)で借りるなら7700万円、1.6%(全期間固定型)で借りるなら6430万円で、1200万円以上も多めに借りられる計算です(審査金利、年収負担率の規定は金融機関によって異なります)。
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