目を背けがち「変動金利」の実は恐ろしいリスク 低金利の恩恵をうまく受けたいが…危険も

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「家賃並みで買うつもりだったけど家賃より数万円多くなるプランで借りてしまった」「ボーナス返済を想定外に組み入れてしまった」という人は多いですね。どうしても借りすぎの傾向があるのです。

借りすぎた理由が、「変動金利型でないと希望の物件に届かなかったから」という場合で貯蓄がないご家庭の場合、金利上昇時には逃げ場がなくなってしまう可能性が高いです。そして、借りすぎリスクのほうが金利変動リスクよりもたちが悪いと思うのは、金利上昇の気配がまだ出ていない現段階で、すでに返済が苦しいといった悪影響が出ているからです。

借りすぎを防ぐ方法の1つ

働き方改革によって残業などが抑制されたことにより、収入が減り、住宅ローンを返せなくなった人が散見されています。これで金利がアップしたらと考えるだけでも怖くなります。

借りすぎを防ぐ方法の1つに、「元金均等返済」で借りるという手があります。元利均等返済よりも当初の毎月返済額が多くなるため、住宅ローン審査が厳しくなり、借りすぎを防ぐ効果があります。前述の変動金利型の「3つの特徴」も、実は元金均等返済にすれば適用されません。すべての銀行などで取り扱っているわけではありませんので、気になる方は調べてみてください。

住宅ローンは、いったん借りてしまうと数十年という長期にわたって借り入れ条件に縛られます。そして、1回こけると破綻まで隣り合わせという怖い側面を持っています。借入時にはぜひ、時間を取ってしっかり情報収集して、後悔のないプランを模索していただけたらと思います。

竹下 さくら ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士

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たけした さくら / Sakura Takeshita

兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学商学部にて保険学を専攻。損害保険会社の営業推進部および火災新種業務部、生命保険会社の引受診査部門の勤務を経てファイナンシャルプランナーとして独立。個人向けコンサルティングを主軸に講演・執筆を行う。『「奨学金」を借りる前にゼッタイ読んでおく本』(青春出版社)、『「家を買おうかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)など著書も多数。

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