駒崎弘樹が壁に当たって学んだ政策の動かし方 その活動に「政策起業」の可能性が見えてくる

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それで、ガイドラインを作成した人に、どうしてそんなガイドラインになってしまったのか尋ねました。すると、彼は医療的ケアを必要としている子どもを見たこともなかったんです。

ため息をつくしかありませんでした。助ける相手を見たことすらない人がそのルールを作ってしまっているという現状に、絶望するしかなかったんです。

厚労省との人事交流を提案する

でも、それは官僚の個人の資質の問題ではないんです。なぜなら、その人は昼夜を問わず国会や議員の対応に追われ、現場を見る時間や勉強する時間はおろか、寝る時間もなく働いているんです。

ですから、仕組み自体を変えて、官僚が現場を知り、専門性を高めていけるような環境を作らないといけないと痛感しました。われわれ民間にもできることがあると考え、厚労省からの出向を受け入れたいと思っています。給料はこちらで負担するので、1年くらい預からせてほしいと人事局にお願いしています。

船橋:それは、何歳ぐらいの人を想定しているんですか。 

駒崎:課長補佐かその手前の係長クラスです。

船橋:そうすると、年額900万円くらい必要ですね。

駒崎:投資だと考えています。現場を知らない官僚が政策を作ることほど不幸なことはありません。ですから、保育政策だったら、政策を作る人が保育の現場で、例えば、おしめを替えて子どもたちと触れるとか、現場を体感することは非常に大切だと思います。

そのシステムが今の霞が関にないのなら、われわれ民間が補完するしかありません。ですから、そういう人材育成機能も、民間が担っていったらどうかと考えています。

(後編に続く)

船橋 洋一 アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長

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ふなばし よういち / Yoichi Funabashi

1944年北京生まれ。東京大学教養学部卒業。1968年朝日新聞社入社。北京特派員、ワシントン特派員、アメリカ総局長、コラムニストを経て、2007年~2010年12月朝日新聞社主筆。現在は、現代日本が抱えるさまざまな問題をグローバルな文脈の中で分析し提言を続けるシンクタンクである財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブの理事長。現代史の現場を鳥瞰する視点で描く数々のノンフィクションをものしているジャーナリストでもある。主な作品に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した『カウントダウン・メルトダウン』(2013年 文藝春秋)『ザ・ペニンシュラ・クエスチョン』(2006年 朝日新聞社) など。

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