駒崎弘樹が壁に当たって学んだ政策の動かし方 その活動に「政策起業」の可能性が見えてくる

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認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏(左)に、社会的企業の実践者としてどのように政策立案に取り組んでいるか話を聞いた(撮影:今井康一)
シンクタンク・パワーと政策起業力のフロンティアと日本の課題を、シンクタンクや大学、NPOの政策コミュニティーの現場で活躍している第一線の政策起業家たちと議論する本連載。連載4回目は、認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏との対談前編をお届けする。

フローレンスは、日本を代表する社会的企業(貧困問題、子育て支援、環境問題などの社会的な課題の解決を目的として収益活動に取り組む事業体)の1つ。

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2004年の設立以降、それまで預かり手のいなかった病気の子どもを保育する訪問型病児保育、都心の空家物件を利用した小規模保育所「おうち保育園」、医療的ケアを必要とする子どもを保育する障害児保育園などの事業を展開し、病児保育問題、待機児童問題、障害児保育問題などの社会的課題の解決に斬新なアイデアを提供し続けている。

代表理事の駒崎氏は、社会起業家としてフローレンスの事業を牽引する傍ら、内閣府非常勤国家公務員(政策調査員)、厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員、東京都男女平等参画審議会委員、内閣府「子ども・子育て会議」委員など、政府や自治体の審議会などにも積極的に参画し、社会的企業の実践者として政策立案にも役割を果たしている。

社会起業はシンクタンクの役割そのもの

船橋 洋一(以下、船橋):駒崎さんをお招きした理由は2つほどあります。1つは、福島での体験です。3・11のとき、民間事故調査委員会を作りましたが、そのときに藤沢烈さん(社会起業家。一般社団法人RCF代表理事。内閣官房参事官補佐、復興庁政策調査官などを歴任)らからお話を伺いました。

NPOの現場で課題に取り組んでいる方々が個別の課題と格闘する中で、構造的な問題にぶちあたり政策課題に直面し、新たな政策を作り上げ、それを実施するため政府に働きかけていく力を持っていることを知ったことです。

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