「ロジック完璧」でも企画が通らない人の盲点 世界の有力コンサルタントが教える「腹落ち」

駆け出しのコンサルタントだった頃、私の所属していたチームが、あるメーカーに対してM&Aの提案をしたことがあった。業界4位だったそのメーカーは、生き残り策を模索していた。
ロジックフローは完璧でも人は動かない
私たちは、分析の結果、そのメーカーが単独で生き残るのはかなり困難であり、今後の成長は単独ではなしえない、提携、あるいは合併するしかない、という結論に達した。そこでメーカーに対し、グローバル大手とアライアンスを組むべきだと提案した。
ロジックフローは完璧だった。分析結果を見れば、そのメーカーが生き残るためには、グローバル企業の傘下に入るのがいちばんの近道であり、最も確実な方法であることは誰の目にも明らかだった。
しかし、結果として、経営者はこの提案を採用しなかった。
提案した日、飲み屋さんで慰労会をやってくれたとき、経営者はこう言った。
「論理的に正しい提案であることはわかるが、自分の目が黒いうちは会社を売るような真似はしない」
ありとあらゆる分析結果を提示して説明しても、経営者は頑として提案を受け入れなかった。
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