「名前」をなかなか覚えられない人へ記憶のコツ 特殊能力は必要なし!訓練で身につける方法
「私は記憶力競技の日本チャンピオンです」
このような自己紹介をすると、「見たものをすべて覚えてしまうんですよね。すごいですね」といったことを言われます。写真を数秒見るだけで細部まで思い出すことができる、一度読んだだけで本を暗唱できる……。記憶力がすごい人のイメージは、おおよそこのようなところでしょうか。残念ながら、私にはそのような特殊能力はありません。
しかし、次のようなことは、朝飯前です。1行に10桁の数字がランダムに並んでいて、それが全部で10行、すなわち100桁の数字があります。これを1分で覚えるのです。
1分で覚えるとなると、「生まれ持った特殊な記憶力がなければ無理!」そう思いたくなりますよね。しかし、私には先天的な記憶の特殊能力は備わっておりません。
だから、日常風景を逐一覚えてはいませんし、眼の前の光景を一瞬で写真のように記憶することもできません。では、何がみなさんと違うのでしょうか?
記憶術を知っているから
それは、私が記憶するためのワザ、「記憶術」を知っていることです。覚えようとするとき、私は、ぼーっと数字を眺めているわけではありません。1分間のうちに、変換表に従って数字を具体的な「もの」に置き換え、それを、あらかじめ用意してある頭の中の「場所」に順番に置いていっています。
そして、思い出すときには、頭の中の場所を順番にたどるのです。拙著『世界最強記憶術 場所法』の中で詳しく解説していますが、ここでは同書から、ビジネスマンの多くが悩む「人の名前が思い出せない」という課題の解決策について紹介します。
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