「名前が出てこない」がピタッとなくなる方法 歳のせいではなく「努力不足」が原因だった

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
あれ、あの人の名前はなんだったっけ…。自分の記憶力のなさを嘆く前に、やれることがあります(写真:Ushico/PIXTA)

先日、一部上場企業の支店長向けに記憶術研修を行ったときのことです。研修開始前に参加者とあいさつを交わしているとき、ほとんどの受講生の口から出てきたのが「名前が出てこない、覚えられない」という悩み。そして二言目には「記憶力が悪くなって……」という言葉が続きました。

これを読んでいるあなたも、「そうそう」と思っているかもしれません。ただ実際には、名前が出てこないのはあなたの記憶力が悪くなったからではありません。歳を取っても記憶力(覚える・思い出せる力)が悪くなるとは限らないからです。

「でも、歳をとれば脳細胞は減っていく一方なのでは?」という人がいるかもしれません。しかし、脳細胞同士がつながってできる神経回路は年齢とともに増えており、記憶容量は増えているとも考えられるのです。東京大学薬学部の池谷裕二教授は、その著書『記憶力を強くする』(講談社ブルーバックス)の中で、「歳のせいで覚えが悪い」と嘆く人に対してこう書いています。

「この嘆きはたいへんな間違いで、私から見れば、そういう人は単なる努力不足であるように思います。そしてまた、昔自分がものを覚えるために、どれほど努力したのかを忘れているのです」

重要なのに「名前」が忘れやすいわけ

そして、この努力不足の影響をもろに受けるのが「名前」です。というのも、重要なわりには繰り返すことが少なくなりがちで、意識的に覚える努力をしないと忘れやすいものだからです。

たとえば、あなたはお客様や取引先の担当者と名刺交換した後、その人の名前を繰り返し呼んでいますか? おそらく、最初のあいさつで二度三度呼ぶくらいで、会話で相手の名前を口にすることはほとんどないでしょう。このため、内容などは覚えていたとしても、名前はスポッと抜けてしまうことが多いのです。

また、そのときの会話で、少しだけしか話題にしなかった相手の出身地や趣味は覚えていても、名前だけ覚えていないこともよくあります。これは、出身地や趣味などは「意味がある」のに対し、名前は基本的に「意味がない」ものだからです。

次ページ「そのときは覚えた」の正体
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事