「名前が出てこない」がピタッとなくなる方法 歳のせいではなく「努力不足」が原因だった

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「意味がある」とは、出身地や趣味の話には多かれ少なかれ、何かしらのイメージが浮かびます。そのイメージが相手に関する記憶として関連づけられ、思い出しやすいのです。一方、名前は「意味がない」ため、何か具体的なイメージが浮かぶことは皆無でしょう。このため、相手に関する記憶として関連づけられにくく、思い出しにくいのです。このように忘れやすい「名前」ですから、意識的に繰り返す努力が必要不可欠であり、それをしなくなると「名前が出ない」となるのです。

「ただ、あのときは確かに覚えたように思ったのですが……」と思う人もいるかもしれません。「○○さん」と覚えた感触はあったのに、すっかり思い出せなくなっているのが信じられないのでしょう。ただ、これは不思議でも何でもありません。実は、われわれの記憶には、「覚えたようでいて、実は覚えていない記憶」があるからです。

ワーキングメモリの容量を実感してみよう

このなんとも不思議な記憶は「ワーキングメモリ(作業記憶)」。近年、われわれが情報処理するうえで重要な役割を果たすものとして注目され、さかんに研究が行われている記憶です。このワーキングメモリは何かの目的のために一時的に情報を蓄えておく記憶で、「脳のメモ帳」にたとえられたりします。

今この瞬間、あなたがこの文章をスムーズに読めるのも、ワーキングメモリがあってこそです。今読んだところをワーキングメモリによって覚えているので、それを次に読むところとつなげることができます。これによって理解ができるのです。このように、ワーキングメモリはすぐに記憶してくれる非常に便利なもので、われわれの情報処理には欠かせません。ただ、弱点があるのです。

その弱点とは、容量が非常に小さいこと。「マジカルナンバー7」と言われたりしますが、ワーキングメモリに蓄えられる情報は7±2個だといった実験結果があります。最近ではさらに少なく4±1という研究もあるほど。この容量を超えて新たな情報が入ってくると、古い情報は出されてしまい、すっかり忘れてしまうのです。

実際に簡単なワークをして、実感してもらいましょう。以下の数字「3150264」を覚えてください。では、顔を上げて各ケタの数字に1ずつ足してください。これを3回くり返してみてください。いかがでしょう? 1回目、2回目、もしくは3回目で頭がパンパンになり、きつくなる感覚があったでしょう。これがワーキングメモリであり、その容量の限界です。

最初の「3150264」は確実に覚えている感覚はあったと思いますが、各ケタに1を足す作業を行うなかで、覚えていたはずの数字を忘れ始めたかもしれません。1回目は大丈夫だった人も、2回目の「4261375」、もしくは3回目の「5372486」では、作業の中で、さっきまで覚えていたはずの数字が記憶から抜け落ちたでしょう。

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