人口7万人弱の都市で4万人スタジアムが成立する理由
中原:私はアントラーズこそ「地方の企業経営のお手本」になるとずっと考えてきたので、今回はその秘訣をお伺いして、それが地方企業の経営者の心に響けばいいなと考えています。ですから今回は自らがあまり語ることはせず、聞き役に徹するつもりです。
常識的に考えたらJリーグのトップリーグのチームを、人口の少ない場所でずっと経営できているのは本当にありえないことです。
鈴木:確かに、鹿嶋市は人口が約6万7000人ですからね。そこに4万人収容のスタジアムがあるわけで、経済合理性から考えたらおかしいですよね。僕らの業界ではマーケットは半径30キロで考えるのですが、鹿嶋はその円内の半分が海(太平洋)と地理的にも厳しく、この半径30キロのマーケットには78万人しか住んでいない。
プロサッカーのクラブ経営にはマーケットが最低100万人いないと成り立たないといわれています。例えば、FC東京のマーケットには2300万人、浦和レッズには1700万~1800万人が住んでいます。そのような状況の中で、アントラーズが存在すること自体が僕も奇跡だったと思っています。
中原:他の首都圏のクラブチームとはマーケットが1桁~2桁違うのに、経営が成り立っていることがすごいな、とずっと思っていました。人口が少ないエリアで成功を収めている秘訣は何でしょうか。
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