元日本代表・加地亮、カフェで働く男の充実感 ロシアW杯に挑む後輩に「今をやり切って!」
「毎日朝9時には店に行き、帰るのは0時ごろ。ランチの時間帯は皿洗いに奔走しています。サッカー選手よりはるかに労働時間が長いですよね(笑)」
2017年限りで現役引退した元日本代表・加地亮(かじ あきら)は、大阪府箕面市で自ら経営する「CAZI CAFE」で今年2月から働いている。妻でオーナーの那智さんやスタッフたちと過ごす日々は多忙だが、これまでにない充実感も味わっている。(前編記事:12年前の苦い記憶、加地亮が語るドイツW杯)
現役引退後、カフェで働くセカンドキャリア
1998年のJ1・セレッソ大阪入団を皮切りに、J2・大分トリニータ、J1・FC東京、J1・ガンバ大阪、アメリカ・メジャーリーグサッカー(MLS)のチーバスUSA、J2・ファジアーノ岡山でプレーし、20年間のプロキャリアに終止符を打った加地。年明けの1月には一家全員で大阪へ引っ越し、新生活をスタートさせた。
「CAZI CAFE」は加地がガンバでプレーしていた2011年7月にオープン。彼がアメリカ、岡山でプレーしていた間はスタッフに営業を任せていたが、この2月からようやく2人そろって店で働けるようになったのだ。
「『カフェをやりたい』と言い出したのは嫁。開店約半年前から経営計画を練り始め、㈱CAZIを設立。僕が代表取締役に就任し、嫁が店のオーナーになる形で準備を進めていきました。銀行で資金を借り入れ、古民家を探してリフォームして、家具や食器をそろえるといった作業をしたのはすべて彼女。
淡路島の民宿・大倉荘の長女として生まれた嫁はもともと飲食業になじみがあった。料理を作るのも好きで、ウチに選手仲間を呼んで食事を振る舞うこともよくありました。滝川第二高校の同期で、サッカー部のマネジャーをしていたんですが、その経験もあって決断力と実践力も伴っている。カフェの仕事は天職だと思いますね」と加地はやり手の妻に最大級のリスペクトを払っている。
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