いびつなラグビー人気はすぐ終焉しかねない セルジオ越後、「未熟な報道」の弊害を語る
――ラグビーの日本代表が帰国しました。3勝1敗という好成績を挙げながら、グループステージで敗退してしまいましたが、彼らの戦いについてどう評価していますか。
厳しいトレーニングを積み、完璧な準備をして、初戦で最高のゲームをして優勝候補の南アフリカを下した。それに尽きるでしょうね。ラグビーは実力が得点に反映されやすく、番狂わせの少ない競技だと言われていますが、それなのに、これまでのワールドカップで1勝しかしていなかった日本が勝ったということは、ものすごい勢いで進歩を遂げた証でしょう。
だからといって、世界のトップグループに入ったわけではない。中3日という厳しい日程でしたが、スコットランドには完敗しましたから。でも、セカンドグループの中ではかなり上のほうにいるんじゃないでしょうか。
昨年のブラジル・ワールドカップで『優勝を狙う』と言いながら、惨敗に終わったサッカーの日本代表よりも、世界のトップに近い位置にいることは確かです。
体のぶつかり合いでひけを取らなかった
あと、すごく印象的だったのが、体と体のぶつかり合いでまったくひけを取らなかったことですね。何人かの外国人選手がいたわけですが、日本人選手も自分より体格の大きな選手をふっ飛ばしたり、タックルで止めたりして、あれだけのゲームを披露した。
だから、サッカーでよく言われる“日本人はフィジカルでは世界に勝てない”というのが、単なる言い訳にすぎないことがよくわかりました。同じ日本人が違う種目でやれている。つまり、民族的にはできないわけじゃないということですね(笑)。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら