「人格」で面接に落ち続ける学生がやるべき事 技術面では実績があるはずなのに…

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会社という組織が、共通の目的に向かって1人では成し遂げることのできないゴールを集団で成し遂げようとする組織である以上は、構成員たる個々人のハードスキルとソフトスキルの双方がどうしても求められます。

ハードスキルは個々人の組織における存在価値の証明ですし、ソフトスキルは集団で共同行為を営むうえでの潤滑剤であり、前提条件でもあります。

したがって、その双方において自分自身を高める努力をすることで、転職市場におけるご自身の価値を高めることが可能となるわけです。

少なくとも、今回の経験を通じてダンさんご自身が周りからどう見られているのか、優れている部分はどこで、足りない部分はどこなのか、そういったことが見えてきたはずです。

であれば、優れている部分は今以上に高める努力を継続するべきですし、足りない部分は少なくともマイナス評価をなされない程度に高める努力をするべきです。

80社も面接で落ちた、とありますから決して心地のよい経験ではなかったことでしょう。

自分自身を意識して変えなければ評価は同じまま

であれば将来同じことを繰り返さないように、今回の経験からの学びを活かして行動に昇華させ、自分自身を変えることにつなげましょう。

そういったことができるのであれば、現在受けた評価が将来も継続することにはなりません。

他人の自分自身に対する評価を変えることができるのは、あくまでも自分自身です。自分が変わることなしに、他人の評価だけ変わることはありません。

将来を現在の延長だけにとどめたくないのであれば、自分自身が意識して変わる努力や行動に邁進しなければいけません。

逆に言うと、変わる決心を自分でして行動に移せれば、自分自身に対する自分と他人からの評価の双方に影響を与えることができるのです。

頂戴した文章で、世間で評判の高いベンチャーに入ることで世間からの評価が高まる、という部分などを拝見するに、もしかするとダンさんは自分個人としての価値を高める、という視点が弱いのかもしれません。

転職市場における評価だけではなく、周りからの評価の主体であり、個人としての自分自身です。

他人に評価されたい、認められたい、好かれたい。そう考える人は多くいます。

他人に認められ、好かれるためには、まずは自分自身が自分を認められるような人間になり、自分自身を好きになる必要があります。

そのうえで他人を認め、好きになる努力をすることなしに、よい人間関係や人格を築くことはできません。

そのような視点でダンさんが現状を打破して、すばらしい社会人へと変貌を遂げられるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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