「絶望的に勉強しない子」につける薬はあるか 小言を言う親はベクトルを変えるべきだ

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少なくとも、「いつまでもゲームやるのやめなさい」「早く宿題やりなさい」「早く部屋を片付けなさい」は言わないでしょう。それよりも、「ゲーム楽しそうね〜」と言ったり、場合によっては「お母さんが片付けてあげるよ〜」と言うかもしれません。

どうして、「いつまでもゲームやるのやめなさい」「早く宿題やりなさい」「早く部屋を片付けなさい」と言わないのでしょう? それは親の心が満たされているためです。このような満たされた状況で人の欠点や問題点を指摘するということは通常考えられないのです。

もちろんこれは極端な例です。しかし、心が満たされると人はどのように周囲を見るかということがわかる事例としてわかりやすいので、講演会などでよくお話しています。

心が満たされると、子どもも変わる

最終的なまとめのお話をします。今の状態で、子どもが自発的に勉強するように親が仕向けることは不可能です。そのような作為の方向で考えるのではなく、いかに親自身が、日々楽しく過ごすか、自分の心を満たすことを最重要視して生活するかを“考える”のです。

すると、今まで見えなかった子どもの良いところが見え出します。見えてきたら、それを口に出してください。「すごいね〜」「さすがだね〜」「いいね〜」「へえ〜知らなかった」など言語化するのです。すると、子どもの心は満たされ、自己肯定感が上がり出します。

心が満たされると、それまで嫌でやりたくなかったことをやってもいいかも?と考える可能性もあります。そのあと子どもが自発的に勉強するようになるかどうかは、期待しません。ここはこらえどころです。

現在のお子さんの心を満たす前に、親は自分の心を満たす、ここに意識をフォーカスしてみてください。簡単なことではないですが、きっとより良い未来がやってくると思います。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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