もちろん、「子どもがすべて悪いのだ」という考えもよくありません。つまり、今の状況は、親がどう対応していいかわからず、また子どももどう振る舞ってよいかわからなかったため、たまたま起こった現象であるということです。ですから、「私の責任」「私が悪いのだ」という気持ちをまずは捨てましょう。この感情を引きずっていると、これから筆者がお話する内容が入っていきません。
それでは、これから対応方法についてお話していきます。現在、子どもは、もはや勉強に対しては嫌悪感以外の感情を持っていない状態と見受けられます。それに対して、親が説教すればするほど、ますます悪化するという負のサイクルに入っています。いじればいじるほど悪化するため、逆に何も言わないほうがいい、本人に任せるという方法が一般的に取られます。
確かにその方法も効果を発揮する1つの方法なのですが、大島さんは、それに対して強い「不安感」を持っているため、おそらく実践できないか、実践しても効果を発揮しないでしょう。なぜなら、不安感が、表情に出たり、無意識に言葉として発される可能性が高いからです。
子どもは親の言うことよりも、親の感情を受け取っていきます。ですから、不安感というネガティブな感情を受け取ってしまうのですね。つまり、大島さんの場合は、「何も言わないほうがいい、本人に任せる=不安感を子どもに伝える」ことを実践してしまう可能性があるということです。そこで、筆者からは大島さんに、新たな視点についてご提案したいと思います。
子どもの欠点ばかり見えるのはなぜか
これまで大島さんは、今の子どもの状態をなんとかして変えたいということで、子どもにアプローチしていました。そのアプローチの向きを「逆向き」に変えてください。つまり、自分に向けるということです。子どもをどうこうしようではなく、自分の心をどう満たすかを考えるのです。
次のことを知っておくといいでしょう。
これをわかりやすい例え話で説明しましょう。
「家に帰ったら、子どもが勉強していない。ゲームばかりやっている。部屋は散らかり放題」
この状況を見て、大島さんは何と子どもに言いますか。おそらく「いつまでもゲームやるのやめなさい」「早く宿題やりなさい」「早く部屋を片付けなさい」という類いのことを言うのではないでしょうか。
では、次に質問です。「今日、宝くじで1億円当たってしまった。本当に通帳に1億円という記載がある。その後、家に帰ったら、子どもは勉強してない、ゲームばかりやっている、部屋は散らかり放題。そのとき、大島さんは子どもに何と言いますか?」
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