今年も年末年始の挨拶の季節がやってきた。新入社員にとっては、初めての経験だろう。もっとも、「虚礼廃止」の風潮の高まりとともに、年末年始の挨拶は縮小傾向にある。
「昔はカレンダーをごっそり持って挨拶に行ったけど、今は厳選した相手にしか配らない」(印刷会社勤務・48歳)
「クライアントへの年末の挨拶は、わざわざ出向かず、年末最後のミーティングで済ませるという雰囲気になってきました」(PR会社・39歳)
「昔は年明け4日の午前中は社長の挨拶や乾杯、午後は挨拶というスケジュールでしたが、今は5日(2019年は7日)スタート。その代わりに初日からフルタイムで仕事。新年の挨拶はなくなりました」(サービス・50歳)
一方で、「年末の挨拶はチーム全員参加。レンタカーを借りて数日がかりで行います」(メーカー・40歳)や、「お客様の中には、挨拶に行かないと無礼なやつととる人もいる。虚礼廃止の通達が書面できているけど、僕はできる限り行きますね」(運輸・45歳)という意見もある。
年末年始の挨拶は特別
年賀状や中元・歳暮同様に、年末年始の挨拶も賛否両論だ。しかし、年末年始の挨拶は、日本企業の伝統的な行事のひとつでもある。自分が挨拶に行く、行かないかは別にして、一般教養としての基本は押さえておきたい。
「覚えておいていただきたいのは、『年末年始』には特別な意味があるということです」と話すのは人材派遣や教育事業を手がけるキャプランの教育・研修部門、Jプレゼンスアカデミー事業本部の伊東絹子チーフインストラクターだ。
挨拶は、そもそも仏教用語が語源といわれる。「挨」には押す、「拶」には迫るという意味があるので、コミュケーションの分野では、「心を開いて、心に迫る」と解釈することが多いという。
一般に挨拶は、コミュニケーションのスタートであり、「相手の心の扉をノックする」目的で使われる。
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