便利?駅ナカ「個人オフィス」地下鉄で開始 すき間時間有効活用、「テント会議室」も登場

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駅構内に設置された「ボックス型オフィス」は使い勝手がよい(編集部撮影)

民間企業の「働き方改革」は、十社十色で個性的。鉄道会社もユニークな働き方改革の提案に着手した。

駅構内に展開するボックス型1人用オフィス

たとえば東京メトロは、富士ゼロックスとの協業で「ワークブース」の展開を始めた。「ワークブース」は、駅構内に展開するボックス型1人用オフィスだ。

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寸法は161×107×195cm。広すぎず、狭すぎず、ほどよい「こもり感」を感じられるサイズにこだわった結果、この大きさになったのだという。実際、中に入ってみると、思いの他、ゆったりしている。しかも落ち着く。照明の明るさにもこだわりがあるそうだ。

ボックスの内部には、27インチのモニターが置かれている。ノートパソコンやスマートフォンでの仕事は肩が凝るので、モニターにつないで使ってもらおうというわけだ。そのためのケーブルも用意されている。壁には吸音パネルが使われているので、電話の声が外に漏れにくい。ただし、天井はなく、完全に密閉されているわけではない。駅で何かあったときにアナウンスが聞こえないと危険だからだ。ほどよく聞こえるざわめきが、逆に心地よい。仕事に集中できそうだ。

室内にはモニターが設置されており、自分のPCなどを接続して利用できる(編集部撮影)

「ワークブース」を使用したいときには、スマートフォンを使って専用サイトを通じて予約を入れる。予約時間になると、自分のスマホに解錠キーが現れるので、それを押すと施錠がはずれ、中に入れるという仕組みだ。

この「ワークブース」は、富士ゼロックスのある営業マンの発案でスタートした。同社は30年以上前から社外で仕事ができるサテライトオフィスへの取り組みを行ってきた。現在では、自前の拠点だけではなく、シェアリングオフィス業者とも契約しており、主要なオフィス街では、サテライトオフィスで仕事ができる体制が整っている。普通に考えれば恵まれた環境だが、その営業マンに言わせれば違った。「いずれのサテライトオフィスも駅から5分から10分離れており、往復時間のロスがもったいない」――。

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