「攻殻機動隊」をイタリアに届けた女子の現在 「ジョジョ」など翻訳した数、実に600超!

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『攻殻機動隊』を翻訳したイタリア人女性の人生とは?(撮影:尾形文繁)

日本が誇るポップカルチャーで、アニメと並んで挙げられるのが漫画だろう。他国の作品と差別する意味で“manga”と呼ばれ、世界中で愛読されている。そんな漫画が、各国の読者へ届くまでに、欠かせない役割を担っている人がいる。イタリア出身・日本在住の漫画翻訳家、スタンザーニ・ピーニ・詩文奈(シモーナ)さんだ。

彼女がこれまでに、イタリア語や英語へ翻訳を手掛けた作品は、『攻殻機動隊』『ジョジョの奇妙な冒険』『BLEACH』『きまぐれオレンジ☆ロード』『エア・ギア』『電影少女』『黒執事』『惡の華』『夏目友人帳』『TIGER & BUNNY』『ブトゥーム!』など、600は優に超える。

異国の地で漫画翻訳家になるまで

もともと漫画やアニメの熱狂的なファンで、子どもの頃は漫画家を目指していたという詩文奈さん。どのような経緯で来日し、漫画翻訳家になったのか。異国の地で道を切り開くまでのストーリーを紹介する。

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「『宇宙海賊キャプテンハーロック』は、こんな壮大なSFアニメがあるんだって驚いたわ。『機動戦士ガンダム』からは、善と悪はそう簡単に決められるものではないと教えられて。特に好きだったのは『宇宙戦士バルディオス』で……」

幼少期に見たテレビアニメについて、詩文奈さんは流暢な日本語で話す。よほど楽しい思い出なのだろう、その表情は笑顔で輝いている。

ここは詩文奈さんの仕事部屋。1500冊はあるという漫画が所狭しと並ぶ。ちなみに整理してこの数だという。イタリアの実家にある分や、電子書籍で購入したものを含めると、3000冊は優に超えるそう。

詩文奈さんと漫画の出会いは、幼少期までさかのぼる。ヨーロッパでは、1970年代後半から日本のアニメが人気で、詩文奈さんも虜になった一人だった。同時に日本の漫画もたくさん出版されており、家にもたくさんあったため、絵本を読むように、漫画を読んで育ったという。

やがて読むだけでは飽き足らず、『エースをねらえ!』『ベルサイユのばら』『うる星やつら』など好きなキャラクターを主人公にし、二次創作で漫画を描き始める。将来は漫画家になりたい、とも思うようになったが、厳しい現実を知る。

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