上司の”覚悟”が問われる瞬間とは? 「ヒト」の要素を真正面から考える(下)

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 戦略コンサルタントを経て、現在、投資ファンドで地方の中小企業の再建を手掛ける著者が、企業再生のリアルな日常を描く。「事業の収益構造」といった堅い話から、 「どのように社員のやる気をかき立てるのか?」といった泥臭い話まで、論理と感情を織り交ぜたストーリーを描いていく。

再生先の同僚批判はもってのほか

ふとしたきっかけで社外の会合に行くと、会合後のカジュアルな懇親会などで、自分の所属する会社批判や仕事批判、あるいは不満の話題になることが少なからずあります。

その動機はきっとさまざまです。たとえば自分の会社を褒めるというのもなかなか気恥ずかしさを伴うので、批判という名の謙遜の表れなのかもしれません。あるいは上司を酒のさかなにするというのは、そもそも反骨精神の表れかもしれません。私も大して変わりません。オフサイトの解放感で、ついするすると自分のダークサイドが顔を出しそうになります。

そういう意味で、同レベルの私は、善人ぶって短絡的に批判を批判しようとは思いません。でもそんな中でも自制しているのは、同僚への批判です。特に企業再生時に助っ人で行っている人間が、再生先の同僚の批判をすることなど、もってのほかだと思います。

企業とは社員の総体です。企業とそこで働く社員とはつねに相似形だと思います。企業再生に乗り出すということは、そのとき他人である自分がその企業の再生を信じているからです。

そんな中で外様からスタートした自分が、安全地帯から再生企業の社員の能力ややる気に対して、陰で不平不満を言うことは、道義的な意味以上にその相似形である企業、ひいては再生そのものを否定することにほかならないと感じます。要するに自己矛盾以外の何物でもありません。

もちろん、個別のケースで同僚や部下の出来に満足いかないこともあるでしょうが、それは多くの場合、相手の出来不出来の問題というより、自社の人材マネジメントの問題であり、それを運用する上司の問題であるように思います。今回はそんなことをテーマに考えていきます。

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