論理バカと現場バカ

ロジックと現場主義の使い分け方

戦略コンサルタントを経て、現在、会津のバス会社の再建を手掛ける著者が、企業再生のリアルな日常を描く。「バス会社の収益構造」といった堅い話から、「どのようにドライバーのやる気をかき立てるのか?」といった泥臭い話まで、論理と感情を織り交ぜたストーリーを描いていく。

 

私は今、企業再生支援機構という官民ファンドから福島県のバス・タクシー会社(会津乗合自動車)に派遣され、現地で企業再生の仕事をしています。

福島は何ひとつ変わりません。でも大きく変わりました。

そんな福島の会津地方で、年間数十万人の移動の足を担うバス会社の再生は、頭の中だけで理屈をこねくり回しても仕方ありません。とにかく始めてみて、そこからトライ&エラーの中で修正していく。

人は自分の経験からしか語れませんし、いきなり「ゾーン」状態にも入れません。

自分が福島にいることが、会社を変えることにつながったかはわかりません。でも少なくとも自分は大きく変わりました。

この連載は等身大の自分の、そんな変化の記録です。

左脳系スキルは、誰でも身に付けられる

私は今の仕事をする前は、コーポレイトディレクション(CDI)という戦略コンサルティング会社でコンサルタントをしていました。

コンサルタントにはいろいろな価値の付け方がありますが、一般的にわかりやすいコンサルタントの武器はファクトとロジックです。

この道何十年のお客様(クライアント)から、安くはないフィー(料金)をいただくためには、付け焼刃の知識ではとてもかないません。そうなると当たり前の事実を新たな切り口で切るとか、当たり前の事実同士の組み合わせで別の解釈をするとかで価値を出そうとします。

キャッチーな言い方をすると、知識ではなく知恵で勝負するともいえます。

またファクトとロジックといった左脳系スキルは訓練によって身に付くもので、後天的に身に付つけやすく再現性も高く、その気になれば誰にでも身に付きます。

そういう意味でコンサルタントには理屈っぽい人が(一般に)多い(と言われる)わけですが、かといってなかなかそれだけで、厳しい社内市場原理を生き残れるわけではありません。

それではその先には……という話になりますが、本稿からは脱線するのでいったん割愛します。もし機会があれば、自分がコンサルタントを雇う立場になって感じた、コンサルティングのあるべき姿なども述べていきたいと思いますが、そこはまた後日。

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