この連載では、『なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?』『インパクト志向』の著者であり、靴のネット通販を営むロコンドの田中裕輔さんが、 各界で大きなインパクトを与える新世代リーダーと対談します。第1回目はチームラボ社長として、ウルトラテクノロジスト集団を率いる猪子寿之社長です。
対談(上)はこちら
田中:言語や論理で説明できない領域が、今後の競争力の源泉になっていくとすると、今、最も競争力が強い企業ってどこですかね?
猪子:みんなはそれを無意識に知ってると思うよ。たとえば2000年ぐらいまではマイクロソフトが世界の王だったわけじゃん。で、当時の唯一の競合はアップルだったよね。潰れかけてたけど。でも、ふと気づいたら、アップルが世界最強の会社になっていた。
マイクロソフトのすごさって、言葉で説明できるよね。マイクロソフトのアウトプットのすごさ。「エクセル出ました。表計算が簡単になりました。チョー便利」みたいな(笑)。
今、なんかうまく言葉で説明できてないけど、それはオレの個人的な言語能力のせいであって、普通の人はたぶん説明できると思うんだ。エクセルのすごさを。
田中:エクセル、すごいです。はい。
猪子:でも、アップルのアウトプットのすごさって、言葉で説明できないよね。「iPhone出ました。すげーッ!」みたいな。
無理やり説明しようとしても、「インターフェイスがカッコいい」「どこが?」「うーんと、それはね、情報をモノのように触れるようにしたからだよ」みたいな。何がすごいのか全然わかんない。でも、本当はすごいじゃん。
で、何が言いたかったかというと、言語とか論理で感動を説明しにくいような領域を、たぶん人は昔から「アート」と呼んでたんだと思うんだ。
田中:ああ。
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