田中:はい。
猪子:でも、ちょっとずつ日本製のモノがなくなっていって、ふと気づいたら、ほとんどが日本製じゃなくなってるよ。プレーヤーは入れ替わらず、最終的なアウトプットだけこっそり入れ替わってるから。
田中:では、若者にメッセージを送るとすると、「気づけよ」って感じですか?
猪子:……まあ、そんなのわかんないね。
田中:えっ?!
猪子:なぜなら、オレもパッとしてないから。
田中:何をおっしゃいますか。
猪子:だって、どうでもいい会社だよ、チームラボって。社会において。
田中:でも、猪子さんに憧れてる若者、多いと思うんです。何かアドバイスをお願いします。
猪子: そう、そこなんだよ。20世紀的価値で言えば、わが社はミジンコ以下だと思うんだ。
田中:あははは。
猪子:数値化したら、日本の全部の会社の中でワースト10%に入ると思う。
田中:そうですね。
猪子:「そうですね」って、そんなにあっさり言われるとさー。
田中:あ、いえいえ(笑)、だから、今は違うわけですよね?
猪子:数値化すると、まったく儲かってない、ほんと労働環境も悪い、売り上げもクズみたいな会社だよ。でもその割に、ちやほやされすぎてるよね。
だから、そういうことだよ。人々が21世紀的価値観に無意識に入ってきてる。ゆっくりと。言語化や数値化できてないけれども。
でも、ついつい言語なり論理なり数値なり、そういうもので物事を判断してしまうんだろうね。言語や論理っていう領域は、人間の知的領域の中で最もレベルの低い領域だと思う。それに誰も気づいてないのが悲しいね。言語や論理って、原始人みたいな領域だよ。
田中:あははは。
猪子:原始人だってしゃべれるわけだからさあ。
田中:確かに。
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