福島の職場から30分くらいバスで走ったところに、猪苗代湖という日本で4番目に大きい湖があります。ちょうど今の季節は、シベリアからたくさんの白鳥が飛来して、湖面はとても幻想的な雰囲気。湖畔付近は大変フォトジェニックです。
私もにわかマニアで、気まぐれに白鳥を見に行ったりもするのですが、先日、湖面のすぐそばで白鳥をまじまじと眺めてみると、高い透明度の元で水面下もうっすらと見えました。
白鳥は、水面での優雅な泳ぎとは裏腹に、水の下では必死にバタバタしていました。私の仕事は優雅には程遠いですが、見えないところで(見えないつもりで)いつもジタバタしている様子は一緒だなあと、何となく感じ入りました。
改めて考えてみると、企業再生には「ジタバタ感」というのが意外に大切な気がします。
「ジタバタ感」というと何となくネガティブで不安定な響きがありますが、あたふたするのとは違います。うまく表現できませんが、最後の最後まで「この解が最良なのか」と悩み続け、葛藤し続けるような感じです。もちろんそれとは逆に、物事に取り組むにあたり「なんとかなるだろう」でどっしり構え、割り切ることも大事だと思います。
しかしながら私にとって、これまでどうにか企業再生の戦略作りや実行など、クリティカルな局面での仕事を続けてこられたのは、「『何とかなる』では不安で仕方ない」「『何とかなる』で済むはずがない」という、ある種悲観的な「ジタバタ感」にある気がします。
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