ソニーをダメにした、「派手な成功」狙い

【短期集中連載】冨山和彦氏に聞く(第2回)

日本航空(JAL)やカネボウ、ダイエーなど数多くの企業再生や経営改革に携わり、オムロンの社外取締役なども務める冨山和彦氏(=上写真=)のロングインタビュー。短期集中連載の第2回は、電機業界のヒエラルキー(序列)や旧電電ファミリーの病巣、経営者のあり方などに切り込む冨山氏の談話を掲載する。第1回目はこちら。

 

日本の電機業界には、アイデア商品は二流の会社が作るもので、テレビのような、大きくて大量にモノをつくるのが一流というヒエラルキーがあった。昔は組み立てメーカーが一番偉かったんですよ。それ以外の部品メーカー、部材メーカーは全部下請けという位置づけだった。

そういうヒエラルキーの幻想から脱却する必要がある。GEのジャック・ウェルチは30年前にその幻想から卒業した。

一流、二流の幻想と京都企業の価値観

東京や大阪の電機業界はそうしたヒエラルキーの序列があった。でも、京都だけは関係なかった。

京都では、「東京や大阪の一流電機メーカーの下請けに入れました」といっても誰も褒めてくれない。京都的には東京も大阪も都ではないから。やはり価値観がキモで、「イケている」とコミュニティの中で思われているのが大事だ。「ウチは今度でっかい注文を松下から取ってきたんだ」と言ったって「それがどうしたんだよ。何がうれしいんだ」と言われちゃう。

それはともかく、結局のところ、持続的な競争力がある事業体を作った人が一流なのであって、いかに稼げるかということに尽きる。だって、経済なんだから。だから、京都の企業は、汎用部品を売ろうと考える。あるいは最初から世界に売ろうと考える。

そもそも何が一流で、何が二流かというのは、典型的な開発経済の発想。開発経済段階では、鉄が国家をけん引するというのは正しい。だから、鉄に一流の人材がいくべき。その次に重工業になって、その次に組み立て産業になる。その順番で立ち上がらないと産業基盤が立ち上がらないのだから、開発経済の段階では序列があってもいい。

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