ソニーをダメにした、「派手な成功」狙い 【短期集中連載】冨山和彦氏に聞く(第2回)
日本のエレクトロニクスメーカーは渋く行くべきです。GEのモデルです。B2Cのようにみんなに知られている必要はない。渋いところで日本の社会基盤を支える。情報通信やITやコンピュータやエネルギーマネジメントといったところでB2Bベースの渋いビジネスをやっていればいい。地味でもそうしたビジネスのほうが堅い。
B2CビジネスはAKB48と大差ない
まず、B2Cはパワーゲームになってしまう。プラス、お客様の感性に振り回されるので、ボラティリティが高い。流行り廃り商売だから、極端に言ってAKB48と大差ない商売です。
家電売り場で、自分が使っているテレビがどこのメーカーかを考えずに新しいテレビを買う。これまでと違うメーカーのテレビを買っても不都合は感じない。スイッチングコストはかからない。バリアフリーになっていて、お客さんもそれを要求する。それがまさにソニーが苦しんでいる部分だ。
一方で、B2Bというのは機能を売っていくビジネス。B2Bの買い手は経済的な動物。最終的には機能と機能を経済価値に換算して製品やサービスを買う。そうすると感性に振り回されるリスクはまずない。かつ、B2Bの世界はスイッチングコストが高い。ベンダーを換えることに対するバリアを作れる。GEの飛行機用エンジンなんてスイッチングコストがまさに優位性なんだ。
あるベンダーの商材を使うことに対して、お客さんも投資をしちゃうので。スイッチに対するバリアも作りやすい。