「VAIO発足」から2カ月、山積する難題 調達・生産・販売のすべてが大激変

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ソニーマーケティングが運営する東京・銀座、名古屋・栄、大阪・梅田の3カ所の「ソニーストア」で展示販売している(写真は銀座店)

7月1日に、VAIO株式会社(以下、ブランドとの混同を避けるためVAIO(株)と表記)がスタートしてから2カ月を経過した。

すでに8月4日から製品出荷を開始するとともに、8月8日から店頭展示を開始。ソニー時代からの継続モデルである「VAIO Pro 11」、「VAIO Pro 13」、「VAIO Fit 15E」の3機種に限定して、販売を行っている。

品質管理の新システムを導入

外観上は、SONYのロゴが消え、その代わりにVAIOのロゴを入れ、ソニー時代にはあった「ASSIST」ボタンが消えただけに見えるが、実は製造プロセスは大きく変化している。

なかでも、本社がある長野県安曇野市において、「安曇野FINISH」と呼ぶ仕組みを新たに導入した点は特筆される。

かつての仕組みでは、中国のODMで生産したVAIOは、直接、販売店や消費者のもとに配送していた。現在発売しているVAIOも中国のODMで生産しているが、VAIO(株)では、すべての製品を安曇野で最終チェックを行い、品質保証をした形で流通することになる。これによって、着荷不良率は格段に改善すると見込んでいる。

また、生産ラインにおいても、ソニー時代の生産管理システムが使えないため、部品表ひとつからすべてを作り直している。

つまり、外観そのものは、ソニー時代とほとんど同じでも、ユーザーに到着するまでのプロセスはこれまでとはまったく異なる仕組みとなっているのだ。

同じようなことは、流通ルートでも起こっている。

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