「VAIO発足」から2カ月、山積する難題

調達・生産・販売のすべてが大激変

VAIO(株)の製品はすべて、販売総代理店となるソニーマーケティングを通じて販売されるという点ではこれまでと同じ。コンシューマ市場向けには、ソニーマーケティングの運営する東京・銀座、名古屋・栄、大阪・梅田の3カ所の「ソニーストア」で展示販売が行われるほか、ソニーストアの直販サイトでも販売される。

また、量販店では、ビックカメラ新宿西口店、ビックカメラ池袋本店パソコン館、ビックカメラ有楽町店、ヨドバシカメラ新宿西口本店、ヨドバシカメラマルチメディアAkiba、ヨドバシカメラマルチメディア梅田の6店舗で、VAIOコーナーを設置して、展示販売を行っている。

展示店舗は大幅に減少し、展示を行っている店舗でも売り場スペースは縮小しているが、まずは3機種ということもあり、これぐらいのスモールスタートが現実的だろう。ビックカメラも、ヨドバシカメラも、売れ行き動向とラインアップの拡大にあわせて、取り扱い店舗の拡大と売り場スペースの拡張を検討する姿勢を明らかにしている。

店頭から持ち帰りできない

だが、量販店店頭でVAIOを購入して、そのまま持ち帰りたくても、すぐには持ち帰れないのが、いまの販売スタイルだ。VAIO(株)では、量販店店頭には一切在庫を置いていないためだ。

量販店店頭では、専任スタッフと相談できるものの、その要望に応じて、ユーザーが欲しい仕様のPCを伝票に記して発行。店頭から注文を行い、約1週間後をめどに、VAIO(株)から、直接、ユーザーのもとに配送されるという仕組みだ。

これは、ソニー時代に行っていた「VAIO OWNER MADE(VOM)」と同じ仕組みだ。ユーザーは、欲しいモデルを選択することができるが、その代わりすぐに持ち帰ることはできない。

見込み生産が中心となる在庫モデルでは、不良在庫が生まれやすく、結果としてメーカーの収益を圧迫するという悪循環に陥りやすい。在庫を持たない仕組みは、そこに陥らないための常套手段だといえる。

ユーザーには、すぐに持ち帰れないという不満はあっても、VAIO(株)は、まずは収益性を優先する仕組みをとったことになる。今後、一定の利益水準が創出された際には、売れ筋モデルに限定した格好で在庫を置くということもあるだろうが、かなり先の話になりそうだ。

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