シャープの失敗が映すニッポン電機の急所 【短期集中連載】冨山和彦氏に聞く(第1回)

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日本航空(JAL)やカネボウ、ダイエーなど数多くの企業再生や経営改革に携わり、オムロンの社外取締役なども務める冨山和彦氏(=上写真=)。その経験や手腕から、シャープやルネサスエレクトロニクスなどが経営不振に陥った背景には、日本企業に共通した弱点があると指摘する。ニッポン電機の生きる道とは――。JALの再上場問題なども併せて冨山氏のロングインタビューを短期集中連載で掲載する。

 

シャープの問題は、日本の電機メーカーすべてで起きている。ただ、その中でもともと財務的な余力が少なく、液晶のほかに稼げる事業、すなわちバッファが小さかったシャープがいきなり厳しくなった。

日本の電機メーカーは総合化しており、重電からAV、テレビ、通信、IT領域まで全部手がけている。かつ、垂直統合を志向し、最終組み立てだけではなく、半導体や液晶といったデバイスまで自社でつくる。横が広くて縦にも深い業態というワケだ。

そのモデル自体が、10年以上前から苦しくなっていた。その中で、最大手クラスでなかったシャープは、液晶という一つの領域、つまり縦に思い切って絞り込む大勝負をかけて選択と集中をしたわけです。結果的にそれが裏目に出た。後から批判することは簡単だが、フェアではない。

日の丸半導体の負けパターンと酷似

シャープの負けは、かつての(日の丸)半導体のパターンとそっくりだ。256キロバイトや1メガバイトといった産業の初期は、半導体メモリを造ること自体にものすごく高度な技術が必要で、参入障壁が高かった。ところがデバイスとしてメジャーな商材になり、大量生産が始まると、いつしか技術の固有性が希薄になっていった。一流の製造装置メーカーの装置を買いそろえ、技術者を引き抜いてくれば、誰でも同じものが高い歩留まりで造れるようになる。液晶や半導体メモリは単機能の量産モノなのでコモディティになりやすい。

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