アップルが生殺与奪の権握る

緊迫!シャープ 

電機各社への鋭い指摘で知られるトップアナリスト・片山氏にシャープの現状と今後を聞く。

ちょうど1年半前、シャープはアップルから二つの大きなビジネスを取れる見通しが立った。一つは9月に発売になったアイフォーン5向けの液晶。もう一つが今年3月から販売されている現行版アイパッド向けの液晶だ。当初は、両方ともシャープが納入シェア5割を占めると想定されていた。

アイフォーン5の世界販売台数は2億台といわれており、その半分で1億台、液晶メーカーに入る手取りが1台3000円として3000億円のビジネスになる。一方、現行アイパッドは1億台の半分で5000万台、手取り7000円で3500億円。シャープは計6500億円の売り上げを手にする前提で、亀山第1・第2工場の供給能力を作った。

ところが現実は、アイフォーン5で10%程度、アイパッドで15%程度しかシェアを取れていない。もくろみと6000億円もの差がある。限界利益では2000億円以上のギャップに相当する。

アイフォーン5に関してはあまり心配していない。問題はアイパッドです。液晶供給メーカーはシャープ、サムスン、LGの3社。このうち、シャープだけがIGZO(酸化物半導体)、ほか2社はアモルファス(非晶質)を使っている。消費電力でも解像度でもIGZOのほうが優れているが、シャープは先行2社に合わせる形でIGZOをデスペック(スペックを落とす)している。消費電力を増やすための対応をわざわざ施している。そんなことをやっているから、歩留まりもなかなか上がらなかった。

アップルは、来夏にはまた新しいアイパッド(いわゆるアイパッド4)を発売する。現行版は、サムスン「ギャラクシーTab(7・7インチ)」に比べて、ディスプレー部分だけで2倍近い厚みがある。もっと薄く軽くするために、アップルはIGZOを採用したいはず。キーデバイスになると判断した場合は、シャープ独占供給もありえる。ただ、現行アイパッドでの供給出遅れを見て、アップルが不安を感じていてもおかしくない。

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