修羅場はいくらでも転がっている
さて、再生企業という環境における人材マネジメントは、やりようによっては好調企業以上に、社員の成長につながります。
より具体的に言うと、まずひとつは豊富な成長機会です。
企業再生中の会社というのは、つねにボトムからスタートし、現在以上の悪化は許されません。業績は現在よりも好転させることを求められる以上、社員はつねに昨日よりもストレッチを求められます。
中でも、よくも悪くも序列を超えた混沌が支配する再生の初期段階においては、成長スピードを一気に加速する環境を探せば、いくらでもあると思います。
これまでの連載でもしつこいくらいに述べていますが、人間20歳を超えたらお勉強モードでは絶対に成長できません。不条理な世界に唐突に放り込まれて、そこで生き残らなければ死ぬ(言うまでもなくたとえですが)くらいの修羅場でのみ人は成長できると思います。
「迷ったらワイルドな方を選べ!」(Yahoo!)
「迷ったら挑戦する道を選ぶ」(UZABASE)
「どちらかとゆうと、こっちのほうが大変かな、と思った道を選んだほうがうまくいっている」(三浦知良)
というのは、つねに真理ではないかと感じます。
とても皮肉なことですが、再生の現場にはそういう修羅場はいくらでも転がっています。
そうはいっても、いくら本人が望んでもそういった修羅場を任せてもらえるとは限りません。修羅場というのは失敗した場合のリスクも高いから修羅場のわけです。そこで思い切って仕事をできるかというのは、要するに上司が思い切って任せられるかということです。要するにマネジメント側の覚悟の問題です。
そういう意味においても、企業再生に乗り込んで行く会社で、社員が育たないとかイマイチだとか愚痴る前に、まずマネージする側がきちんと機会を社員に与えてきたかを自省すべきかと思います。
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