手抜き授業をする「部活大好き教師」は辞めよ

前川喜平氏が示す「部活動改善」の方策とは?

「部活大好き教師」は授業への取り組みがおろそかになりがちだ。写真は本文と関係ありません(写真:AH86/PIXTA)
学校では現在、部活動のあり方を巡って議論が紛糾している。授業そっちのけで部活動に励む生徒や教師が問題となるばかりか、教師による体罰が原因とみられる生徒の自殺事案まで起きている。さらに部活動は、教師の長時間労働の一因ともいわれている。文部科学省で事務次官を務めた前川喜平氏が部活動の改善案を示す。

中学校や高校には、よく垂れ幕や横断幕が掲げられている。それは大概、部活動の成果を誇示するものだ。「○○部全国大会出場」「○○君県大会優勝」といった言葉が書いてある。それを見るたび、筆者は複雑な思いにとらわれる。

部活動は学習指導要領上「学校教育の一環」とされる。が、教育課程内の活動ではなく、生徒が任意に参加するものだ。学校教育の成果を示すものとしては必ずしもふさわしくない。「大会出場」や「優勝」の裏側に、暴力やパワハラが潜んでいるのではないかという疑いの気持ちも生じる。だから、素直に祝福できないのだ。

「ブラック部活」という言葉が広がっているように、部活動に苦しめられる生徒と教師が増えている。部活動に忙殺され家族を顧みることのできない教師が増え、「部活未亡人」「部活孤児」などという言葉まで生み出された。

部活動はいろいろな側面から問題になるが、ここでは主に教師の負担をいかに軽減するかという観点から考えていこうと思う。

部活動に忙殺される日本の教師

部活動指導は教員本来の業務ではない。だから教員免許状は必要ない。しかし、部活動は学校が計画的に行う教育活動に含まれている。教員が行う部活動指導は、校長からの職務命令による付加的な業務である。教員免許状を要しない業務なので、事務職員や栄養職員が部活動指導を行うことも妨げられないが、伝統的に教員の仕事であると考えられてきた。

日本の教師が部活動に忙殺されている状況は、数字にも表れている。

OECD(経済協力開発機構)が2013年に世界34の国・地域の中学校教員を対象として行った「国際教員指導環境調査」(TALIS)によると、日本の教員の課外活動に費やす時間は1週間あたり平均7.7時間で、国際平均(2.1時間)の4倍近い。

文部科学省が2006年と2016年に行った「教員勤務実態調査」を比較すると、中学校教諭の1日あたりの部活動指導時間は、平日で平均34分から41分へ約2割増、土日で平均1時間6分から2時間10分へ約2倍に増えている。2016年調査では、残業が月80時間以上の「過労死ライン」に達している中学校教諭が、全体の57.7%に上っていることもわかった。

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