下着の色を問う「理不尽校則」が跋扈するワケ 保護者意見の忖度か、合理的な理由はあるか
管理主義は昔の話、ではなかった
――この本が生まれたのは、2017年に大阪の女子高生が起こした「黒染め強要裁判」(生まれつき茶髪の生徒が府立高校で髪の黒染めを強要され、精神的被害を受けたとして学校側を提訴)がきっかけだそうですね。最初にこの裁判の話を知ったとき、どんな印象を持ちましたか?
荻上チキ(以下、荻上):まず「こんなひどい事例が、まだあるのか」という驚きです。さらにその後の調査で、府立高校の9割、東京都立の全日制高校の6割、近畿圏の7割で「地毛証明書」を求める指導が行われていることがわかって、また驚きました(大阪府、朝日新聞、産経新聞による調査)。「まだやっているのか」というだけでなく、昔以上に管理が加速していたんですね。その実態を見て、「いま何が起きているんだろう?」と思いました。
内田良(以下、内田):僕は、学校が人権侵害をやっているところに素朴なショックを受けましたね。教育問題の最大の課題は、「学校にいかに外部の風を取り入れるか」というところで、僕はその問題について頑張って発信してきたのですが、なのにまだ「地毛証明書」なんていう人権侵害、あるいは差別にかかわるようなことをやっていたので。
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