下着の色を問う「理不尽校則」が跋扈するワケ

保護者意見の忖度か、合理的な理由はあるか

――それは感じます。先日たまたま私が昔通っていた高校に行ったんです。当時は自由な校風が人気だったのですが、すっかり変わってしまって、「いまは、ちゃんと生徒指導しています」というふうに先生がアピールしていました。元の校風を気に入っていた私はがっかりしたんですが、高校は「指導の強化が保護者アピールになる」と思っているんですね。

「学校化した保護者」の存在もある

内田:ただ一方で、細かい校則指導に賛同する保護者も結構います。学校的価値観に染まった、「学校化」した保護者たちが。その人たちが「乱れのない身だしなみ」みたいなものを求めてくることを想定して、学校が校則を厳しくしていくという側面もあるのが悩ましいところで。

――管理の強化を好む保護者もいるのは知っていますが、私みたいに逆の考えの保護者もそれなりにいます。それなのに、多くの場合、採用されるのは管理強化を支持する側の声です。結局は、学校側の判断ですよね?

内田:組み体操も部活動もそうですね。危険な側面のある組み体操や、練習日数が多いなど激化する部活動について「嫌だ」と言う保護者も人数としては結構いますが、どちらかというとその声は小さいと思います。

荻上:私の知り合いに(管理強化を)「やって」っていう人はいないよ(笑)。

内田:それは、チキさんの周囲の人だから(笑)。全体としては「どんどん管理して」「組み体操も部活もどんどんやって」という保護者のほうが多いんだと思いますよ。

荻上チキ(おぎうえ ちき)/評論家。「ブラック校則をなくそう!プロジェクト」スーパーバイザー。著書多数。TBSラジオ「荻上チキSession‐22」メインパーソナリティ。同番組にて2015年ギャラクシー賞(ラジオ部門DJ賞)、2016年にギャラクシー賞(ラジオ部門大賞)を受賞
(撮影:梅谷秀司)

――そういう面もあるかもしれません。一方、以前、部活の活動日が多すぎるということを受けて、休養日を設けたある教育委員会に、反対するクレームの件数を尋ねたら「1件」だと。

荻上:賛成する人と反対する人、それぞれどれくらいいるかは、調査すればいいんです。

――おっしゃる通りですね。あとはやはり、声が届かないほうの保護者がもっと声をあげる必要がある、ということでしょうか。ただ、学校はPTAや保護者が校則に口を挟むことを嫌がる傾向が強いです。どうしたらいいでしょうか?

内田:まず学校がもっと自浄作用を働かせなきゃいけない。それでもダメなときには、学校外部、つまり保護者や地域住民の声が必要になります。ただし先生たちは「よかれ」と思って校則を運用している可能性が高いので、保護者・地域住民のみなさんには、あまりケンカ腰で学校に乗り込まないでほしいと思います。

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