手抜き授業をする「部活大好き教師」は辞めよ 前川喜平氏が示す「部活動改善」の方策とは?

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部活動指導員を職業として確立するためには、常勤職員としての配置されることが望ましい。しかし、部活動指導の時間は平日の放課後、土日、夏休み・冬休みなどに限定されるから、常勤の仕事になじまない。

それなら、部活動指導員と地域スポーツクラブの指導員を兼務させたらどうだろう。アスリートのセカンドキャリアを確立するうえでも、こうした工夫により、スポーツ指導を安定した職業として確立することが必要だ。

部活動指導員が学校と地域にまたがってスポーツ指導をすることになれば、学校教育と社会教育の融合が図られ、学校スポーツが生涯スポーツの一環として位置付けられることにもなるだろう。

総合型地域スポーツクラブの設置推進は1995年度以来、文科省が進めてきた政策だ。2017年度で1409市町村に3580のクラブが存在する。しかし、地域スポーツクラブはこれまで学校部活動とは一線を画してきた。むしろ、両者を融合することが必要なのではないか。

部活大好き教師は指導員になってはどうか

自民党の「地域スポーツのあり方を検討する小委員会」は2017年5月、学校の部活動を地域のスポーツクラブに移行し、学校内に地域住民を会員とするスポーツクラブを設置するという案を示した。部活動と地域スポーツクラブの一体化だ。

部活動指導員は、部活動以外の時間はスポーツクラブで地域住民に対するスポーツ指導を行うことになる。自民党小委員会案では、指導者には「スポーツ専門指導員」という国家資格を求めることになっている。これはなかなか優れた構想だと思う。

こういう構想を具体化していけば、学校と地域をまたぐスポーツ指導を、十分な所得が得られる1つの職業として確立することができ、アスリートのセカンドキャリアを確保することにもなるだろう。そして「ブラック部活」にあえぐ教師も救われる。

学校の教師の中には、「BDK」すなわち「部活大好き教師」「部活だけ(しかしない)教師」と言われる人たちもいる。この類いの教師はもともと部活動が好きだから、いくらやっても負担感がない。そのため、生徒たちを過度の長時間練習や体罰などで肉体的・精神的に追い詰めてしまうことも起こり得る。

一方で、本来の仕事である授業への取り組みはおろそかになりがちだ。やはり教師には授業にこそ力を入れてほしい。BDKの人たちには、教師を辞めて「部活動指導員兼地域スポーツ指導員」という新たな職業に就くことを考えてもらえるようにすべきだろう。

前川 喜平 現代教育行政研究会代表、元文部科学事務次官

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まえかわ きへい / Kihei Maekawa

東京大学法学部卒業後、旧文部省入省。初等中等教育局長などを経て2016年事務次官。2017年1月、天下り斡旋問題で辞任。現在、全国各地で講演しながら、「教育政策をめぐる現代的諸課題」をテーマに日本大学文理学部で講義するほか、夜間中学での指導にも当たる。

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