政府が先の国会の最重要課題と位置付けた「働き方改革関連法」。6月末に可決、成立した同法は、長時間労働の是正や多様な働き方の実現を目指すもので、改正された労働基準法や労働契約法などあわせて8本の法律で構成されています。
会社側における取り組みが今後求められる一方、部下を持つマネジャーがこの内容を理解しきちんと対応していくことが、成功のカギを握るといっても過言ではありません。今後どのような点に気を付けるべきなのでしょうか。
残業の上限規制は70年ぶりの見直し
働き方改革において、長時間労働の是正は重要課題のひとつです。働き過ぎを防ぎながら、多様で柔軟な働き方を実現するために、労働時間法制の見直しが行われました。そのひとつが、残業時間の上限規制です。これは1947年に制定された労働基準法において、初めての大改革とも言われています。
もともと労働基準法では、休憩時間を除き、原則として1週間は40時間、1日8時間を超えては働いてはいけないことになっています。ところが、労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者との労使協定において、時間外・休日労働について定め、行政官庁に届け出た場合には、法定の労働時間を超える時間外労働、法定の休日における休日労働が認められているのです。この労使協定は、労働基準法第36条に定めがあることから、一般に「36(サブロク)協定」と呼ばれています。
現在も36協定には時間外労働ができる限度時間が労働省告示154号(平成10.12.28)により設けられていますが、臨時的な特別の事由ある場合は、特別条項付き36協定を締結することで、年間6カ月まで限度時間を超えて上限なしで働かせることが可能な状況です。
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