働き方改革で増加する「持ち帰り残業」の盲点

「会社帰りにカフェで仕事するのが習慣に」

見せかけの「長時間労働」対策では、何の意味もありません(撮影:Mills / PIXTA)

政府が積極的に推進している「働き方改革」。電通社員の過労自殺事件が大きな社会問題になったこともあり、長時間労働の是正に向けた機運が一層高まっています。そこで企業側も長時間労働の是正のために、長時間労働の温床とも指摘されている「36(サブロク)協定」の見直しをはじめとする残業規制を強めています。

36協定とは、労働基準法で定められた法定労働時間を超えて、または法定休日に労働させる場合、あらかじめ労使で書面による協定を締結し、所轄労働基準監督署に届け出ることが必要であることを取り決めたものです。この協定が労働基準法第36条に規定されていることから、通称「36(サブロク)協定」といいます。

36協定では、法定労働時間を超えて働くことができる一定の上限時間が設けられていますが、「特別な事情」が予想される場合に、労使双方の合意があればさらに上限時間を超えて働かせることができる仕組みとなっています。これが抜け道となって、長時間労働の温床になっているとも指摘されています。さらに、協定で締結された時間すらも守られていない実態が多くの職場で散見されます。

「残業大幅削減」策で仕事が終わらない人が続出

こうした状況を是正するために、企業の中には「20時になったらオフィスを消灯する」「PCにアラートが出て使えなくなる」「ノー残業デーを徹底させる」など、長時間労働を削減するための施策を積極的に行うところも出てきました。

そこで懸念されるのが、こうしたパフォーマンスは実に十分ながら、働き方の本質が全く変わっていない職場で発生する「持ち帰り残業問題」です。これまでと同じ業務内容、メンバー、マネジメント体制であるにもかかわらず、残業時間だけを規制したことで、当然ながら業務時間内に仕事が終わらない社員は出てきます。そうした社員が、やむにやまれず「持ち帰り残業でカバーしている」という声は、私のもとにも聞こえてきます。

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