「オフィス外勤務」が一向に普及しない理由

ママでも台風でも柔軟に働ける仕組みだが…

オフィスにいなくても柔軟に仕事ができる、「テレワーク」。しかし、導入率は2割以下と、普及しているとは言いがたい状況です(写真:polkadot / PIXTA)

育児や介護をしていても、移動中でも、台風などの自然災害が起きても、いつでもどこでも働くことができる――。

働き方改革において、こんなフレキシブルな働き方を実現する手段の1つとして注目されているのが、「テレワーク」です。

テレワークとは、遠いという意味のTeleとWorkを組み合わせた造語で、「ICT(情報通信技術)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」を意味しています。昨今は「リモートワーク」という言葉を耳にする機会も増えましたが、ほぼ同義で使われています。

分類すると、もっとも代表的な「在宅勤務」に加え、ノートパソコン等の情報携帯端末を活用して移動中や出張先など、臨機応変に働く場所を変える「モバイルワーク」、そして住居と近接した小規模なオフィスや共同利用型のオフィスにおいて働く「サテライトオフィス勤務」などがあります。

実際の導入事例を見ていくと、中でもモバイルワークの導入率が最も高く(60.3%)、在宅勤務(22.9%)、サテライトオフィス勤務(15.8%)と続きます(総務省「平成27年通信利用動向調査」2016年)。近年は、タブレット端末やスマートフォンのような高機能モバイル端末や、高速モバイル回線の普及も進んでおり、働く場所はこれまで以上に多様化しているといえるでしょう。

富士通が全社員3万5000人を対象に導入

テレワークを活用する企業の例として、その規模の大きさで話題を呼んでいるのが総合電機メーカーの富士通です。同社は、2017年4月から「テレワーク勤務制度」を導入することを発表しました。全社員約3万5000人を対象に、自宅のみならず、サテライトオフィスや出張先、移動中など、場所にとらわれずに働くことができ、上司の許可があれば何度でも利用できるそうです。

では、テレワークを導入すれば、企業にとって具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なものとして、①優秀な人材の活用、②生産性・業務効率の向上、③事業継続性の確保の3つが挙げられます。

次ページ配偶者の転勤でも仕事を辞めなくていい?
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 意外と知らない「暮らしの水」ウソ?ホント?
  • 財新
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
トレンドライブラリーAD
人気の動画
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
SDGsが迫る企業変革<br>ビジネスと人権

サプライチェーンの中で起きる人権侵害への意識が高まっています。欧米では法制化が着実に進展し、企業に対し人権リスクの把握と対策を求める動きが顕著に。欧米に比べて出遅れている日本企業の現状を多角的に検証します。

東洋経済education×ICT